お金を燃やす世界から、''ごみ''という言葉のない世界へ。マシンガンズ・滝沢秀一
次に向かったのは、大崎有機工場。大崎町では2004年に有機物(生ごみや庭で剪定された草木)を埋立処分場に持ち込むのを全面禁止。以降、すべて回収して堆肥化しています。
「埋立処分場でも悪臭がしなかったのは、生ごみの分別を徹底しているからですね」と滝沢さんも納得されていました。
その後、うかがったのは「そおリサイクルセンター」。住民の方々が分別した資源ごみを、さらに40種類ほどに分けて、それぞれの専門業者へ届ける中間処理施設です。
最後は、こうした大崎町の仕組みを町外の方が体験できる施設として、2024年4月に新しくオープンした体験型宿泊施設「circular village hostel GURURI」へ。
リサイクルの仕組みを他の自治体の参考にしようと、日本だけでなく海外からの視察や研修も受け入れている大崎町。分別の手順を体験するとともに、どのような工夫や仕掛けが、より環境負荷をかけないのか宿泊者の方々と一緒に学ぶ施設としてオープンしました。
炎天下の中、常にカメラを構え、リサイクルの仕組みに関する説明に耳を傾けていた滝沢さん。
現地に行くからこそ見えてきた大崎町の実態や課題を交えながら、日本の廃棄物処理の未来を滝沢さんと一緒に考えます。
1000回伝えても足りない、ごみの話
── 改めて、大崎町のリサイクルの仕組みを生で見られた感想を教えてください。 滝沢 僕は今まで2回ほど最終処分場へ行ったことがありますが、そこで処理されている物のほとんどは焼却灰です。大崎町には焼却炉がないから、埋立処分場には、いわゆる不燃ごみが、形が残ったまま埋められていますよね。こういう風景はあんまり見たことがないです。だから、すごい衝撃を受けたというか......。 靴やカップラーメンのごみなんかがあって、これだけ分別を徹底してる大崎町でも、やっぱり間違えてしまう人がいるんだということも驚きでした。
── 高齢化や世代交代などもあり、そもそも分別を始めた背景を知らない住民の方々も増えているようです。 滝沢 僕は外から見ている立場だから、大崎町に住む皆さんが全員、リサイクルの意義を理解しているのかなと思っていいました。 でも見学先の埋立処分場へ向かっている最中、地元の方と話す機会があったとき「今日はこれから焼却炉に見学に行くんですか」って聞かれて。まだまだ知らない方もいるんだなって実感しましたね。