冬山のベースレイヤーを検証!パタゴニアのキャプリーンが選ばれる理由を考えてみた|PEAKSギアレビュー
キャプリーン・サーマル・フーディの使用感|保温性と通気性のバランスとは?
サーマル・フーディもベースレイヤーとしてラインナップされているが、フィットはわりとゆったり。共生地のサーマルウェイト・クルーは前述のミッドウェイト・クルー同様、スリムフィットでボディラインにピタリと沿うシルエットのため、本来の比較であればこちらをチョイスするべきだっただろう。 しかし、このフィット違いを選んだことでのちに別の用途ととしても可能性を感じた。 3日目は妙高の赤倉観光リゾートスキー場(ゲレンデトップ約1、500m)、4日目は新潟・六日町の八海山スキー場(ゲレンデトップ約1、150m)を訪れた。こちらでは3日目にスノーボード、4日目にスキーでテスト。 なお、赤倉観光リゾートスキー場は晴れ間の見える天気で最高気温が2℃、八海山スキー場はどん曇りの1℃で、ミッドウェイト・クルーのテスト日とあまり変わらない気温となった。 今回この2着のウエアを選ぶにあたり、さまざまな記事を読んだが、総じてキャプリーン・ミッドウェイトよりもキャプリーン・サーマルウェイトのほうが保温性が高い、という評価。もちろんパタゴニア公式サイトでも同様の内容で書かれているので、それは総論として誤りはないのだろう。 「総論として誤りはない」というのは、個人的にはサーマル・フーディのほうが抜け感(通気性)を強く感じたためだ。衣服内の温度を暖かく保つことが保温性だとするならば、ミッドウェイト・クルーのほうが衣服内に熱がこもってから適温になるまでの時間は長く感じられ、サーマル・フーディは汗をかいてもすぐに衣服内からムレを排出し、熱がこもる感じが少ない。生地のロフト感だけを見るとサーマル・フーディのほうが暖かそうなのだが、この抜け感が大きいため涼しく感じられる。 これはレイヤリングするウエアで大きく化けそうだ。今回このウエアにミドルレイヤーとして合わせたのはパタゴニアのナノエア・ライト・ベスト。ミッドウェイト・クルーと合わせていたナノ・パフ・ジャケットよりも通気性が高く、その効果もあってサーマル・フーディのほうがより抜け感を感じられたこともあると思うが、これまでほかのウエアを着用してきた感覚でその差分を差し引いても、サーマル・フーディの通気性はかなり高い。