冬山のベースレイヤーを検証!パタゴニアのキャプリーンが選ばれる理由を考えてみた|PEAKSギアレビュー
パタゴニアのキャプリーンシリーズ解説|他社との価格帯を比較
パタゴニアのキャプリーンシリーズは、テクニカルベースレイヤーとして定評があり、春夏と秋冬でラインナップが異なる。調べてみると春夏ものはすでに個人的に愛用しているものも多かったので、使用感を含めて以下に特徴をまとめた。
【春夏向け】
<キャプリーン・クール・デイリー> 軽量で速乾性が高く、日常使いからライトなアクティビティまで対応。 ■すべすべとした生地感は肌当たりもよく、速乾性と伸縮性を備えている。私はフーディタイプを2着と、ウィメンズのタンク(タンク好きとしては残念ながら、メンズではノースリーブの展開となる)を愛用。フーディは夏場の水辺など、日焼け対策にもマッチする。 <キャプリーン・クール・トレイル> コットンライクな肌触りと優れた速乾性が特徴。 ■デイリーよりも若干生地厚ながら速乾性はより高い印象。ややシャリっとした肌当たりは汗離れも抜群だ。タンクモデルを愛用しているが、何枚もほしいくらい調子がいい。 <キャプリーン・クール・ライトウェイト> シリーズ最軽量。夏場の登山やトレランに向く。 ■個人的には見た目にテクニカル感を強く感じており、夏場に1枚で着るのは気が引けているが、間違いなく涼しいだろうと思われる。 <キャプリーン・クール・メリノ> 化繊とメリノウールの融合で速乾性と保温性を両立。 ■夏はどうしても汗をかきやすく、熱がこもるのが気になるためウールは避けてきたが、今回調べてみると調子がよさそう。もし夏場に着るのであれば標高の高い稜線を縦走する際に着用してみたいと感じた。
【秋冬向け】
<キャプリーン・ミッドウェイト> もっとも汎用性が高いモデル。適度な保温性と吸汗速乾性を備える。 ■中空糸を用い、肌面にグリッドパターンを備えることで汗離れをよくしている。今回試したうちのひとつ。もっともベーシックなクルーモデルをチョイスした。ピタッと着たいのでSサイズ。 メンズ・キャプリーン・ミッドウェイト・クルー ¥12、650 サイズ:XS~XXL カラー:スモルダーブルー、他4色。 <キャプリーン・サーマルウェイト> 厚みのある素材で保温性に優れる一方、通気性も高い。 ■ポーラテックパワーグリッドを採用した、シリーズ中もっとも嵩高のあるモデル。肌面の起毛部分はグリッド構造になっており、薄い部分は向こう側が透けるほど。保温性と通気性、吸湿発散性を重視している。フード付きプルオーバーのサーマル・フーディをチョイス。ミッドウェイト・クルーよりもゆったりシルエットだが、あえてさらにワンサイズ上のMサイズを。 メンズ・キャプリーン・サーマル・フーディ ¥18、700 サイズ:XS~XL カラー:シーバードグレー、他2色。 <キャプリーン・エア> メリノウールを3Dニット構造で編むことで快適性を追求。 ■メリノウールと化繊をミックスし、吊り編みにより縫い目をもたない構造。私は試したことがなく、今回はこちらも加えてレビューしてみたかったが、残念ながら今シーズンの展開はなし。 キャプリーンと呼ばれるシリーズはざっとこんなところ。一部はラインナップから外れているが、もしかすると来シーズンは復活するかもしれない。 そして価格帯だが、他ブランドの製品と比較した場合は中~高価格帯に位置する。これは環境配慮型素材に力を入れていることがまず理由として考えられるが、細かく比べるとメリノウール配合モデルだとパタゴニアのほうがウールの配合率が高く、そのほかのものでも肌当たりや防臭性にやや軍配が上がると感じているので、価格だけでは測れない部分も多い。 個人的には価格と性能、デザイン面(むだと感じるプリント、スポーティすぎるカッティングや素材感)を見てもパタゴニアのキャプリーンシリーズはバランスがとれており、他社と比較する際もベンチマーク的立ち位置だと考えている。もちろん、メリノウールのモデルよりも化繊モデルのほうが総じて価格は手頃だ。