冬山のベースレイヤーを検証!パタゴニアのキャプリーンが選ばれる理由を考えてみた|PEAKSギアレビュー
【レビュー】キャプリーン・ミッドウェイト&サーマルウェイトの使用感
今回試したのは以下の2モデル: ・キャプリーン・ミッドウェイト・クルー(中程度の厚さ、汎用性が高い) ・キャプリーン・サーマル・フーディ(厚手で保温性重視)。
キャプリーン・ミッドウェイト・クルー|冬山登山に最適といわれているウエアの実力
こちらを着用したのは年末の斑尾高原スキー場。もちろん、登山とスキーでは運動強度が異なるが、その差は軽微だ(中程度のアクティビティでは登山のほうが若干運動強度は高いといわれている)。 加えて、私はスキー初心者(なんならこの日初めてスキーに挑戦)。スノーボードはかれこれ20年近く楽しんできたが、2024年春にスプリットボードを手に入れて、スキーも滑ってみたくなったのだ。 スキー初心者というと、体は緊張のあまり強張り、何度も転ぶため普通のスキーよりもハード(だと思う)。ご多分に漏れず私は何度も転倒し、盛大に汗をかいた。 斑尾高原スキー場の標高は、ゲレンデトップで1、350m。リフト乗り場が集中するベースで約900mとなる。着用した2日間の気温は両日で最高0℃。初日は日差しを感じる時間帯があったものの、2日目は午後から雪の降り続く日となった。 レイヤリングはミッドウェイト・クルーの中にメリノウールのメッシュアンダーを着用し、その上にこれまたパタゴニアのナノ・パフ・ジャケット(薄手の綿ジャケット)、さらに70Dのゴアテックスシェルを羽織る。初日はスキー、2日目午前中にスキーをしたあと、午後はスノーボードで行動した。 ミッドウェイト・クルーの保温性は、0℃前後の斑尾高原スキー場での使用でもまったく寒さを感じることなく快適にすごせた。 むしろ、懸念していたとおりスキーの際は転倒を繰り返し、初級者コースを滑り降りるだけで汗まみれに。呼吸は荒くなり、ゴーグルの内側が曇るほどだ。 しかし、不思議と肌面のヒヤッと感がない。もちろんベースレイヤーの内側にウールのメッシュアンダーを着ているおかげもあるのだが、その効果を得られない脇下から腕周りにかけても化繊特有の冷たさは感じられない。汗を大量にかいても肌面に冷たさを感じさせない高い吸汗発散と中空糸の効果が印象的だ。 その後もリフト回しを繰り返し、搬器の上で風に吹かれても(風速1~3m/s)寒く感じることなくすごすことができた。これは2日目にスノーボードで上級者コースを滑っていても同様で、汗による濡れ感や汗冷えの予兆も感じられない。むしろ、ミドルレイヤー(この2日間はナノ・パフ・ジャケット)をもっと通気性が高いものにしてもいいくらいだ。さすが’80年代から化繊ベースレイヤーを開発してきたパタゴニアだけある。 「もっとも汎用性の高い冬季ベースレイヤー」という謳い文句は間違ってなさそうだ。