アート好きが熱狂する美術館「M+」のキュレーターが厳選! 香港で行くべきスポット10
「M+」の展示内容は、複数のテーマが数カ月から数年単位で入れ替わり、「ヴィジュアルカルチャー」という大きな枠組みのなかで、伝統的な絵画や彫刻から大規模なインスタレーション、幻想的なビデオアートまでを展示、メディアやアートスタイルは多種多様だ。国際的に活躍する有名アーティストはもちろん、偉大な功績をあげながら世間的には知られずに終わった幻のアーティストも多数掘り起こされている。 <写真>宮島達男《Region No. 43701–No. 43900》 M+(エムプラス)
Para Site(パラサイト)/鰂魚涌(クオリー ベイ)
「1996年スタートの香港で一番古いアートスペース。常に国内外のエッジの効いたアーティストの展示を行なっています」(横山さん) 今でこそアジアのコンテンポラリーアーツのハブとしての地位を確立している香港も、かつてはアートへの関心がとても薄い土地柄だった。そんな香港のアート黎明期よりもさかのぼる1996年に、複数のアーティストのグループが自由な芸術活動と展示を行うために創設した、歴史あるアートスペース「Para Site」。香港のアート界を長年支えてきた重要な存在だ。 <写真>ニューヨークを拠点に活動する笹本晃の香港での初個展展示風景。
2015年より現在のクオリーベイエリアに移転し、広い空間を生かしたユニークな展覧会や刺激に満ちたライブパフォーマンスを意欲的に開催している。運営チームやアドバイザーには、香港のコンテンポラリーアートの重鎮である目利き達が集結しているので、質の高さは折り紙付き。数カ月おきに展示が入れ替わるから、香港に行く前にウェブサイトでスケジュールをぜひチェックして。 <写真>笹本晃による個展『Sounding Lines』展示風景。 Para Site(パラサイト)
CHAT(チャット)/荃湾(ツェンワン)
「郊外にありますが、足を運ぶ価値ありのアートセンター。かつて紡績工場として栄えた工場跡を、テキスタイルをテーマにしたヘリテージ・アート・デザインの意欲的な展示を行っている。当時の歴史を見られるレトロなコーナーや、ショップも充実。『CHAT(Centre for Heritage Arts & textile)』が入っている工場跡地全体はカルチャー系のモールになっていて、おしゃれなブックストア『Book B』や香港のクラフトジンが楽しめる蒸留所『Tankyu Distillery』などもあります」(横山さん) 1950年代に、香港の高度成長を支える重要産業だったのが紡績業。もともと紡績業者として創業後、香港有数の不動産デベロッパーとして発展した南豊集団が、創業地である香港郊外のツェンワンにあった紡績工場を再生し、先進的な文化発信地となる商業施設『The Mills(ザ ミルズ)』として、2018年にオープンさせた。