柔道・野村忠宏が引退会見「豪快に1本負けしてスッキリ」
北島康介から花束もらい涙、あの時の気持ちは?
また、野村さんにとって柔道とは? という質問には「ほんと人生です」と即答。「特に勉強ができたわけでもなく運動神経もよくなかった。ただ、子供ながらなにかひとつ誇りにもてるものがほしい、そういう思いがあるなかで、唯一真剣になれたのは柔道だった。周りからは弱いといわれて、親父にも『もう無理して柔道せんでええぞ』と言われて、それでも柔道を続けてきて、本当にその中で、柔道が自分に与えてくれたものはいっぱいあるんですよね。そして最後ね、ほんとに競技者として最後になりましたけど、自分の中で誇りに思えるもの、自分が輝ける場所を手に入れることができたんだなあと。それは柔道が与えてくれたもの。だから胸をはって、柔道が自分の人生といえます」と笑顔で答えた。
最後の試合で北島選手と抱き合った時の涙についても質問が飛び「会場で最後応援に来てくださった皆様にあいさつ行こうと思って、間違いなく自分泣くなと思ってたんですよ」と照れ笑いしながら答える野村。 だが「笑顔を貫くぞと思ってたんですけど、そこで両親の顔を見て、家族の顔を見て、涙腺がだめになって、そこに来て康介でしょ。北島康介というのは特別な存在やし。仲いいのに見に来てくれたの初めてで、花束渡してくれて、どうしても泣いちゃいましたね。また、家族と対面したときと違う、いろんなもんと向き合ってきて、戦ってきた後輩であり、親友であり、ああいう形で迎えてくれて、おつかれさまでしたと声をかけてくれたのは、うれしかったし。ただ、北島選手はまだチャレンジの最中だし。野村の戦いは終わったけど、お前はもう一勝負あるぞという思いで花束を頂きました」と力強く語った。