長机&コンセント供給に記者大歓喜! 光る広報の気遣いと変わり始めた報道陣、NHK紅白歌合戦2024取材の裏側
やっぱりちょっと寂しい取材スタイルの変化
取材申し込みからリハーサル取材3日間を通して「スムーズ」という言葉がぴったりなほど順調だった今回の取材。 スムーズだったからこそ、やはり「リハーサル自体が事前収録の映像視聴」のスタイルに変更されたこと、「記者クラブのみ質問権があるコメント取材」には少し寂しさを感じます。 例えばNHKが用意してくれているカメラはリハーサルの様子を良く映し出しており、分かりやすさはあるものの、取材は「記者の目」を通して「どこに注目するか」が媒体ごとの“味”につながるため、同じ提供素材を全員で視聴するスタイルの場合「目」が固定されてしまうのでどうしても“味”が弱くなりがちなのです。 特に「リハーサルそのもの」よりも、「リハーサル前後」の流れ(アーティストの入場、あいさつ、雰囲気、私服のファッションチェック)、空気感などを重視している媒体にとっては、やや物足りない感は否めませんでした。 また「記者クラブのみ質問権があるコメント取材」については、基本的には良い取材手法だと思いましたが、記者クラブの記者が詳しくないアーティストの登場時に質問が2問のみになるなどする場面も見られたため、一般メディアから残念がる声も上がっていました。 ただ、このような取材スタイルに変更された背景には、感染症対策はもちろんのこと、報道陣由来のトラブルを減少させる狙い、収録となるため万が一リハーサル中にトラブルが発生しても記事化されない、アーティストが報道陣の目を気にせずリハーサルに取り組めるなどのメリットがあると考えられます。 元来リハーサルはアーティストと番組のために行うもので、それを取材させてもらえるという状況だけでもありがたいため、今後もこのようなスタイルの中、どのような伝え方が最も良い方法なのかを考えることが我々報道陣の課題になっていくとも感じました。 紅組34勝、白組40勝の中、白組の優勝で終幕した「第75回NHK紅白歌合戦」。第76回ではどのような演出で大晦日に華を添えるのか、今から楽しみです。 本年もねとらぼをよろしくお願いいたします。 (Kikka)
ねとらぼ