第164回直木賞受賞会見(全文)西條奈加さん「毎作なんらかの形で挑戦していけたら」
欠点がないところが欠点と評価されていたが
日本経済新聞:どうも、ご受賞おめでとうございます。日経新聞の【マエダ】です。選考の際に、よくできてるというお話があって、欠点がないところが欠点というふうに評価されてましたけど。 西條:そうなんですか。 日本経済新聞:そういった感想を聞いてどう思っていらっしゃいますかね。 西條:欠点がないところが欠点というのは、ある意味、最大の欠点かもしれないなとは思います。本当は、小説というのは、もっといろんな意味でとがっているほうがいいんだろうなと思うんですけれども、私はよくバランスがいいという評価のされ方を非常にしまして、それは私の長所でもあり、やっぱり短所でもあると思います。なので、そうですね、欠点がないと言われるのは非常に納得がいきます。決して喜んでいいことばかりではないんですけれども、自分の中でちょっと、すとんと落ちるものがありました。 司会:よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに。はい。お願いします。
北海道の人々へのメッセージを
北海道新聞:北海道新聞の大原といいます。このたびは受賞おめでとうございます。 西條:ありがとうございます。 北海道新聞:163回の馳星周さんに続いて北海道出身者の受賞となって、雪の、雪深い北海道の皆さんも喜んでいると思うんですけども。受賞前の会見では、コロナ禍でなかなか戻れないというふうに言われていましたけれども、お世話になった方もいらっしゃると思いますけど、何かメッセージをいただければと思うんですけども。 西條:北海道から離れてもう30年以上たちますので、実を言うともう親しく行き来している方はほとんどいなくて。でも北海道、出身の十勝については非常に愛着がありまして、やっぱりそうですね、2年に1回ぐらいは帰省しているんですけれども、今現在、なかなか帰省ができなくて、そうですね、本当に一度帰りたいなとは非常に思いますね。 北海道新聞:ありがとうございます。 司会:はい、ありがとうございます。ほかに。ちょっと待ってください。はいはい、どうぞ。