その機嫌の悪さは「便秘」が原因かも? 冬に多発する子どもの便秘。救急外来というケースも【小児科医監修】
便秘と気づきにくい便漏れ症状とは?
上記のような様子が見られたら、便秘の可能性がありますが、特に気づかれにくいのは便漏れを起こしている場合です。ゆるい便や液体が漏れるので、下痢をしていると勘違いされることも少なくありません。 これらの液体やゆるい便は、固い便が肛門近くにつまったせいで腸が膨らみ、固い便の脇から漏れ出した便の液体成分や、後から押し出されてきた新しい便です。肛門に固い便で蓋がされた状態なので便秘の症状はひどくなり、いち早い受診が必要となります。
不適切なトイレットトレーニングも便秘となるきっかけに!
子どもが便秘になるきっかけとして考えられるのは主に以下の4つです。 1 感染性の病気の後に 各年齢を通して冬に多く見られるのは、風邪やインフルエンザなどで発熱したり下痢をしたりで、体の水分不足が起きたことがきっかけとなる便秘です。 病気で食欲が低下すると、便の元になるものがなく排便回数が減ります。下痢や嘔吐などで体が水分不足の状態になると、食事がとれるようになって便が作られる際に、便の水分が奪われて固いうんちとなって排便がしにくくなり、我慢しているうちに便秘となってしまいます。 2 帰省や旅行などトイレ環境の変化で 排便は、副交感神経が優位になり体がリラックスした状態で促されます。 お正月に祖父母宅に滞在したり、旅行に出かけたりすることで環境が変わると、便意を感じにくくなったり、トイレ環境が違うために我慢したりして便秘になりがちに。また、冬休みの後、登園や登校し始めた際も、ストレスがかかって便秘が生じることもあるようです。 3 入園、入学、離乳食開始時は要注意 排泄環境が変わるという意味でも、入園、入学時期は便秘になりやすいものです。慣れていないトイレだと、気持ちよく排便できないという子も少なくありません。おむつをしている赤ちゃんであっても、保育園への預け始めは排便リズムが変わって便秘になることも。 朝、ゆったりした気分で排泄した後に、登園、登校できるのが理想的です。また、母乳から人工乳への切り替え時や、離乳食開始時も便秘になる子も珍しくないようです。 4 不適切なトイレットトレーニングでも トイレットトレーニングで無理をさせることによって、便秘になることも。トイレでの排泄がストレスとなり、便意があっても我慢することが便秘の原因に。 また、便に対して「臭いね、ばっちいね」「また、うんちしたの?」などと大人がネガティブな発言をしていると、排便することにネガティブなイメージを持って我慢するようになるケースもあります。 さらに、失敗をして叱られたことでも、排便を我慢するようにもなることもあります。トイレトレーニングの途中で便秘になったら、いったん中断して排便リズムが整えてから再開するのがよいでしょう。