全員陰性も濃厚接触者21人の南アとU-24日本代表の2日後に迫ったグループリーグ初戦は行われるのか…公平性を欠く問題点
南アフリカサッカー協会は18日の段階で、唾液によるPCR検査で陽性反応を示した選手2人とビデオ分析スタッフの名前を公表している。前者はともに国内でプレーする中盤と最終ラインの選手で、さらにチームの医療責任者のコメントも掲載した。 コメント内では、チームは組織委員会側が定めたプロトコルを遵守し、定められた方式に則って受けたPCR検査で陰性が確認された選手とスタッフだけが14日に来日、入村したと明言。詳細は明らかにされていないが、当初は国内の事前キャンプを21人でスタートさせたが、医療上の理由で選手5人が離脱したという。 追加招集できた選手も3人にとどまった。コロナ禍が考慮されて、大会登録人数が従来の18人から22人に拡大。試合ごとに18人をベンチ入りさせる方式に変わったなかで、19人で編成される南アフリカからは、感染が確認された2人がさらに離脱する。 しかも英国BBCなどの報道では、選手村外の専用ホテルに隔離された選手2人は無症状ではなく、すでに高熱が出ていたとされている。前出の医療責任者は「陽性判定が出たタイミングを考えると、新型コロナウイルスの潜伏期間中にPCR検査が行われてきたため、これまでは陰性を示していたと見られる」とコメントしている。 濃厚接触者と認定された他の選手たちも、選手村の個室の自室で自主待機に入った状況下で、自分たちの体内にもウイルスが潜伏しているかもしれないと大きな不安を抱えているはずだ。そこへ来日後の初練習が予定されていた17日に続いて、18日も全体練習がキャンセルされた。心身のコンディションは著しく低下したと言っていい。 一転して19日夜には、千葉県内で初練習が行われた。前日18日に実施されたPCR検査で全員の陰性が確認され、さらに移動用の専用車両の確保などの条件を満たしたためで、チームは2台のバスに分かれて選手村と練習会場とを往復した。 今後も、日本戦当日までPCR検査が実施されるが、予断を許さない状況が続く。東京都に熱中症警戒アラートが発令されるなど、一気に過酷さを増した気象条件への適応を含めて、予定通りに日本戦が実施されたとしても、五輪を含めたスポーツにおける大前提となる公正公平な条件下での競技開催は現時点でなし崩し的になりつつある。