五輪反対デモで選手村周辺が騒然!「即時中止を求める要請書」は手渡せず
東京五輪の開催に反対している市民団体が16日、中央区晴海の選手村近くで大会中止を求める抗議デモを行った。中央区の築地駅周辺に集結した約120人の有志は、「中止だ!中止」「NO!オリンピック」など日本語と英語で書かれたいくつものフラッグを掲げ、鐘と太鼓を鳴らしながら「オリンピックやめろ!」「バッハは帰れ!」「広島いくな!」などのシュプレヒコールをマイクで繰り返しながら、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の入っているオフィスビル前を通り、晴海の選手村のゲート前まで1時間以上かけてデモ行進を行った。 許可を得て行われたデモ行進は、警察に先導され、パトカーに前後を挟まれた状況で道路の一車線を占拠して進み、「DJポリス」まで出動。選手村のゲート前でデモが停滞すると「足を止めないで!」「前へ進んで!」などと拡声器を使って呼びかけるなど騒然とした雰囲気となった。 デモ行進が終わると、東京五輪・パラリンピックの組織委員会のあるオフィスビル前に有志の約50人が再集結。エントランスの階段前に警察がズラリと並んで“人間の盾”を作る異様な状況の中で、代表者数名が、「東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書」を東京五輪・パラリンピック大会組織委員会に届けるためにビル内のオフィスに向かった。 だが、代表者が集まった有志に対して行った説明によると「ホームページを通じて事前に訪問告知をしていましたが、鉄の扉は閉められたままで要請書を手渡すことはできませんでした」という。大会組織委員会の業務時間外で対応できる関係者が不在だったようだが、代わりに代表者が扉の前で要請書要を読み上げたという。 要請書は、「開会式1週間前になっても未だに東京五輪・パラリンピックが中止されないことに対して抗議の意を表し、大会組織委員会に対して即時中止を要請する」という文で始まり、「IOCのバッハ会長が4月に“緊急事態宣言下でも五輪開催は可能だ”と発言し、私たちは耳を疑ったが、それはコロナ状況の悪化による緊急事態宣言下での五輪開催への布石だったのだ」と批判。 「日常生活や商業活動を大幅に制限する緊急事態宣言と五輪開催の共存は原理的に不可能」 「アスリートや大会関係者の移動は確実に感染爆発のリスクを高める。たとえ無観客でも人の流れは増加。無観客が安全・安心の担保とならず、安心・安全を確実に担保するには五輪中止しかありえない」とした上で、この日実施されたIOCのトーマス・バッハ会長の広島訪問と、コーツ副会長の長崎訪問を「決して許さない」と否定した。 また「トーチキッス」のような形で継続している聖火リレーについても「税金の無駄使いとしかいいようのないイベントは即刻中止にするように要請する」とした。 要請書は「IOCの貴族やスポンサー企業を肥え太らせるのではなく、コロナ禍で苦しむ人々や医療現場に人も金も回すためには一刻も早く中止を決定すべき。今からでも遅くない」という言葉でしめくくられている。