コロナ分科会の尾身会長が会見(全文4完)もうこれは災害に近い
災害医療という文言を入れたことの意味は
ニッポン放送:ニッポン放送、畑中と申しますが。提言の中に「災害医療との考えの下」という言葉がありますが、この災害医療という文言が入ったその意味につきまして、あらためてお聞かせいただきたいのと、この災害医療で、例えば自衛隊とか日赤のさらなる支援を仰ぐというのが選択肢に入ってくるという認識なんでしょうか。その辺り、ちょっと教えてください。 尾身:直接、自衛隊とかということよりは、今、災害という、もうこれは災害に近いんだと。医療の災害という、その言葉の考え方の裏には、各現場はもう、それぞれの現場ですよね。ある都道府県のこの地域、ある県の地域、開業医の先生、病院。それぞれがもう目いっぱいやっているわけですよね。しかし実は深刻度という意味では、多少濃淡はあるわけですよね。それはもう私も医療、病院のグループを運営しているので分かります。みんな大変なんですけど、ちょっと色合いは違いますよ、それは。診ている患者さんの、重症化を診ている人と、比較的慢性の人を診ているというのは医療の質も違うので、これはいい悪いを言っているんじゃないですよ。 そういう意味で、そういうところで1つの、今もういろんな意味でキャパシティーが限界になっているところが局所であるわけですよね、いろんなところで。それを局所だけで、もうその周辺ですね。局所を含めてその周辺だけで解決するのは難しくて、もう少し広域的な、全国的な視野に立って、先ほど宿泊療養のお話をしましたよね。宿泊療養施設を立てるといったって、実はよくいわれているように看護師さんがいないというのがもう、すぐに来るわけですよね。
また別の風景が見えるところまで
今から看護師さんを急に、やれといっても、養成するったって時間が掛かることなんで、そうなるとそこには、休まれている看護師さんもいるし、看護協会の中で、それから全国で、まだ比較的コロナが少ないところで、ちょっとこれ、2週間ぐらいなら来てもいいというようなこともありうる。実際にわれわれとJCHOでそうやっています。あんばいをつけて。 だからそういうことは、そんなにいっぺんに1000人、2000人はできないと思いますけど、そういうふうに、今困っているところがあるんで、全国の医療資源があるわけですから、それをフルに活用して。ただ、これは申し上げるとどこもそんなに、余裕があるところはないんですよね。無理をするんです。だから無理をして、また大変なんですけど、今この時期、これがだから2週間という、今この時期にだけはちょっとお願いしたいと。そのうちまたワクチンなんかだんだん少しずついって、また別の風景が見えるところまでということだと思います。 司会:それでは、このあと先生ご予定ございますので残り3名とさせていただきます。それでは一番左側の列の、前から4列目の方、お願いします。