【箱根駅伝】青山学院大、駒澤大、國學院大に「食ってかかりたい」 早稲田大学は往路から攻めた布陣で先頭を狙う
前半ガンガンいってラスト3kmの勝負
来年度の駅伝主将に決まり、2区出走が濃厚なのがエースの山口だ。前回の2区では8人を抜き、区間4位の好成績を収めただけに、今回もチームの期待を一身に受けている。レースプランを聞かれると、山口は3強への意識を口にした。「(駒澤大学の)篠原さん、(國學院大學の)平林さん、(青山学院大学の)黒田君が予想されると思う。みんな冷静で、後半にしっかりと伸びるような選手なので、逆に前半にガンガンいって、権太坂以降を耐えて、ラスト3kmの勝負になるとイメージしています」。個人的な目標としては、高校の先輩にあたる相澤晃(現・旭化成)がマークした1時間5分57秒を見据えながら「最低限、(1時間)6分前半で走らないといけないと思っています」と語った。 2年連続で復路の8区を走り、前回は区間5位と好走した伊福陽太(4年、洛南)は、これがラストラン。2月の延岡西日本マラソンを2時間9分26秒で制覇したものの、その後は、不調に悩まされてきた。5~6月はジョギングすらきつい状態となり、海外遠征もキャンセル。7月の夏合宿で本格的にチームに合流。その後も体調を崩したが、箱根に向けては順調に仕上がっているという。希望区間は、8区と9区。「3位を達成するために、どの区間を走っても、区間賞争いをできるような走りがしたいです」と抱負を話した。 自身はスポーツ推薦で入部したわけではなく、同じバックグラウンドを持つ後輩たちに背中を見せたいという思いもある。「今回が最後なので、スポーツ推薦で入ってきていない選手でも、地道にやり続ければ『箱根でしっかり走れるよ』というのを見せたい」と話した。
山登りは前半からアグレッシブに
山登りが有力視されている工藤は、出雲駅伝でアンカーを務め、青山学院大の太田蒼生(4年、大牟田)や駒澤大の篠原倖太朗(4年、富里)らを退けて区間2位の走りを見せると、全日本大学駅伝でも最終区を走り、区間3位と好調を維持している。 3強の壁は厚いと冷静に話しつつも、「前回大会は格上だと思っていた國學院大學や創価大学に(往路で)勝っている。今の早稲田大学は、昨年よりもチーム状況はいいので、どこか(相手に)ブレーキがあった場合には、十分可能性があるのかなと思います」と分析する。 昨年は出雲と全日本で好走できずに箱根を迎えたのに対し、今回は好調の中で臨む。「昨年よりも、平地での走力が段違いに上がっているので、前半からある程度攻めても、後半に失速しないのかな、と思います。アグレッシブさを出していきたいです」と語る。 徐々に調子を上げてきた早稲田大が、3強を崩してジャイアントキリングを達成できるのか。下馬評を覆す緻密(ちみつ)な走りに期待したい。
松崎敏朗