なぜ大坂なおみは”因縁”のセリーナに圧勝できたのか?
テニスの全豪オープン女子シングルス準決勝が18日、豪州のメルボルン・パークで行われ、世界ランク3位の大坂なおみ(23、日清食品)が同11位の元女王セリーナ・ウィリアムズ(39、アメリカ)を6-3、6-4のストレートで下して、2年ぶり2度目の優勝と四大大会4勝目へ王手をかけた。 わずか3分に満たない時間のなかに今大会を通して大坂が見せてきた強靭なメンタルの進化の跡が凝縮されていた。 第2セットの第8ゲーム。立て続けにダブルフォールトを犯した大坂が、ブレークポイントをトリプルで握られた。何とか30-40まで盛り返すも、勝負どころでまたもやダブルフォールトを犯してしまう。この試合で2度目のブレークを許し、ゲームカウント4-4と並ばれた。 第1セットを奪って引き寄せていた流れを断ち切られ、さらにズルズルと尾を引きかねない大ピンチ。大坂は直近のダブルフォールトを映し出すモニターを凝視していた。厳しいコースを突いたがゆえの積極的なミスだったと自らに言い聞かせる。数秒の間に気持ちをリセットしていたのである。 迎えた第9ゲーム。まずはラリーからバックのダウン・ザ・ラインでウィナーを奪うと再びバックのウィナーを今度はクロスで決める。動揺したウィリアムズのこの試合で初めてとなるダブルフォールトを誘い、バックからアングルショットを一閃。3分も要さないラブゲームで、すかさずブレークバックすると、続く第10ゲームも4ポイント連取でキープして、憧れ続けてきた元女王との4度目の対決を圧勝で制した。 「穴が見つからないセリーナとの対戦はいつも難しい。なので、自分に何ができるか、ということに集中しました。彼女ではなく自分自身に、ということだけを考えてプレーしました」 ほっとしたような笑顔。 一方、敗者のウィリアムズは涙ながらに記者会見を3分ほどで打ち切り途中退席した。 「正直、勝つチャンスはあったかもしれない。でも、とにかくミスが多かった。よくわからないけど、イージーミスが。負けた理由? わからない。ごめんなさい。終わりにさせて」