12年ぶり全豪OP初戦敗退に錦織圭は何を思ったか…「メンタルダメージはあるがトップ10復帰の道のりが若干見えた」
テニスの全豪オープンの男子シングルス1回戦が8日、豪州メルボルンで行われ、世界ランキング42位の錦織圭(31、日清食品)が同16位のパブロ・カレニョブスタ(29、スペイン)に5―7、6―7(4―7)、2―6のストレートで敗れた。錦織の4大大会での初戦敗退は2015年の全米オープン以来、全豪での初戦敗退は2009年以来、12年ぶりとなった。昨年の全仏オープンの1回戦以来、 約4カ月、勝ち星から遠ざかっているが、錦織は「自分にショック、メンタル的にダメージは来ている」としながらも「プレーはよかったので落胆はしていない。トップ10復帰の道のりが若干見えてきた」と前を向いた。次戦は3月1日開幕の「ATP500 ロッテルダム」が予定されている。
世界ランク16位にストレート負け
複雑な心境を正直に口にした。 「自分のプレーがよかったので、そんなに落胆していない。でも、これだけ戻っても、まだ勝てないんだなと。自分にちょっとショックというか、微妙なところですね」 復活への手ごたえはあったが結果に結びつかない。 第1セット第1ゲームのサービスゲームではエースを決めるなど素晴らしいスタートを切る。第3ゲームで先にブレークを許したが、第4ゲームではブレークバックに成功した。一進一退の攻防の末に第1セットを落とすが、第2セットでは、ネットプレーやサービス&ボレーを使い、多彩な攻めを見せた。ファーストサーブの成功率も上昇。互いに1度ずつブレークを奪いタイブレークに突入した。 だが、ここでミスが目立ち始める。 「速い球が来たときにディフェンスで足が動かなかったり大事なポイントでもプレーがよくなかった。タイブレークのプレーの仕方を忘れたんじゃないか、というくらいにミスが多くて選択ミスもあった」 このセットのミスの数は、カレニョブスタの13本に対して錦織が20本。勝負どころでことごとく自滅した錦織が第2セットも落とした。 2年前の全豪でのカレニョブスタ戦では、2セットダウンから執念の逆転勝利を演じた。だが、この日は、その再現とはいかず、第3セットに入ると、明らかに疲れが見えて動きが落ちた。 「頑張れ!」と日本語で声援が飛ぶ中、奮闘するが、スペイン人のパワーあふれるサーブについていけず流れを止めることができない。 今大会で「異常に速い」というコートのサーフェスと共にニューボールと使い古したボールの感覚の違いにも戸惑った。「特にニューボールだとコントロールし辛かった」という。 「まだまだ感覚が100パーじゃないので振り切れていない。サーフェスが速くて振り遅れたり、体が浮いたりした」 最後の第8ゲームにブレークを許しての敗戦。2時間23分の戦いを終えた錦織は、観客席から送られた拍手に小さく左手を上げて、うつむきながらコートを去った。