滑走路の先に“壁” 航空評論家「固い構造物の設置ありえない」 韓国・旅客機事故【サンデーモーニング】
TBS NEWS DIG Powered by JNN
韓国で旅客機が着陸に失敗して炎上する事故があり、179人が死亡する大惨事となりました。被害を拡大させた、その理由とは? 【写真を見る】滑走路の先に“壁” 航空評論家「固い構造物の設置ありえない」 韓国・旅客機事故【サンデーモーニング】 ■管制塔から旅客機に「鳥の群れがいる」と注意を出すも… 12月29日、タイ・バンコク発の韓国・チェジュ航空の旅客機が、南部のムアン空港に着陸する際に起きた事故。 乗客乗員181人のうち、179人が死亡しました。 旅客機は激しい音を立てながら滑走路を滑り、車輪は出ず、スピードをほとんど落とせないまま壁に衝突。 機体は炎と煙に包まれました。 事故直前の機体を捉えたとされる写真をみると、車輪は出ていて、通常の着陸態勢だったことが伺えます。 それがなぜ、胴体着陸になったのでしょうか。 原因として、韓国当局は次のように指摘しています。 韓国の国交省担当者 「(着陸前に)管制塔から旅客機に『鳥の群れがいる』と注意を出した」 滑走路付近に鳥の大群が発生。 着陸をやり直すため、一度出した車輪を格納し、再び上昇していたのです。 着陸をやり直すため上昇している場面とみられる映像では、右側のエンジンから突然、炎が吹き出したように見えます。 専門家は… ■エンジンにトラブルが発生か 航空評論家・小林宏之さん 「鳥を吸い込んでしまった可能性がある。エンジンが破壊された状況ではないか。(この時点まで)少なくとも一つのエンジンは正常に近い状態で作動していたのではないか。そうでないと(着陸やり直しで)上昇できない」 着陸をやり直そうとした直後に鳥を吸い込み、エンジンにトラブルが発生したとの見方です。 ただ、片方のエンジンが止まったとしても、もう一方が機能していれば、ほぼ通常通りに着陸できるといいます。 ところが旅客機は180度方向転換すると、滑走路の逆方向から、車輪が出ないまま胴体着陸を試みたのです。 通常、着陸をやり直す場合は、360度旋回して同じ方向から滑走路に進入します。 車輪が出ない場合にも、胴体着陸の前にやるべきことがあるといいますが、なぜ今回は、すぐさま危険な胴体着陸に踏み切ったのでしょうか。