2025年「全羅南道の憤怒」が爆発し、朝鮮半島が激変する!
2025年の東アジアを俯瞰(ふかん)すると、いたる所で混乱と沈滞が懸念される――。 イーロン・マスクはなぜトランプに賭けるのか…踏み台?政界進出? 日本は周知のように、発足3ヵ月が経った石破茂政権が低空飛行を続けている。衆議院で与党が過半数に満たないため、今月始まる通常国会での予算通過もおぼつかない状況だ。 太平洋の彼方のアメリカでは、今月20日にドナルド・トランプ新政権が発足し、アジアに向けて関税の大攻勢をかけることが見込まれる。中国経済は失速し、習近平政権は「V字回復」を目指して必死にもがき苦しんでいる。台湾は中国人民解放軍の攻勢に戦々恐々とし、政治も安定しない……。 だが、2025年の東アジアで最も注目すべき「激変の地」は、朝鮮半島だと私は見ている。すなわち、韓国と北朝鮮の動向だ。
無様だった「大統領のクーデター」
韓国では、周知のように師走に「大事件と大事故」が起こった。前者は12月3日深夜、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然の「大統領によるクーデター」を断行し、全土に非常戒厳を敷いた。 だが、未明に国会で解除を決議され、わずか6時間であえなく白旗。こんな「暴挙」を起こしてタダで済むはずもなく、14日に国会で弾劾訴追案が可決され、職務停止となった。半年以内に憲法裁判所が判断し、6人が弾劾を認めたら失職。2ヵ月以内に新たに大統領選挙を行うことになる。 12月31日には、非常戒厳を宣布した尹大統領に対して、ソウル西部地方裁判所が、内乱容疑で拘束令状を発布。年が明けた1月3日に、警察が尹錫悦大統領の身柄を拘束しようとし、公邸前で5時間半も警護団と揉み合いになった。今後、現職大統領として初めて逮捕される事態も考えられる。 その間、大統領の職務を代行していた韓悳洙(ハン・ドクス)首相も、12月27日に弾劾訴追案が可決され、職務停止となった。このため、「ナンバー3」の崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官が、大統領と首相も代行しているが、元日には大統領室首席秘書官以上の幹部たちが、集団で辞表を提出。もはや韓国政治の崩壊が止まらない。