ワークマンの大ヒットアイテム「超撥水シェフパンツ」が累計77万枚も売れた納得の理由
数あるワークマン製品の中で、2021年春夏に発売されてから約3年で累計77万枚を売り上げた、大ヒットアイテムがあることをご存知だろうか? それは「超撥水シェフパンツ」。近年はトレンドを反映した打ち出しも強めているワークマンだが、実は「超撥水シェフパンツ」が出るまでは、ファッション性に重点が置かれた製品は存在していなかった。 今回は「超撥水シェフパンツ」に隠された秘密を、株式会社ワークマン製品開発第1部チーフバイヤーの川田真之輔さんに、ワークマン公式アンバサダーで同製品の共同開発者でもある山田耕史がお聞きした。
ファスナー選びにこめられたワークマンのこだわり
山田耕史(以下、山田) 「超撥水シェフパンツ」は、僕がアンバサダーとして提案させていただいたアイディアから生まれた製品です。当時、多くのファッションブランドやショップでシェフパンツが人気となっていました。 シェフパンツは読んで字の如く、料理人が着用するワークウエアなので、ワークマン流のシェフパンツがあってもいいのでは、と思ったのがきっかけでした。 川田真之輔(以下、川田) それまでのワークマンには、現場作業の邪魔にならない細身シルエットか、伝統的なニッカボッカーズのような極太シルエットのパンツしかありませんでした。「超撥水シェフパンツ」のような、ファッショナブルなシルエットのアイテムは存在していなかったのです。 我々としてはかなりチャレンジングなアイテムだったので、売れるかどうか半信半疑だったのですが、結果的に年間20万点も売れるモンスター級のヒットアイテムになりました。 ロングパンツにも関わらず、夏も売れているのが「超撥水シェフパンツ」の特徴です。毎シーズン新色を追加しているのですが、リピーターがかなりたくさんいらっしゃるようで、継続して売れています。 今もワークマンの店頭で一番良い場所に並んでいるのが「超撥水シェフパンツ」です。 もちろん、現場で職人さんに着用していただけるように、ワークマンならではの要素もたくさん盛り込んでいます。夜間の視認性を高めるリフレクターや、ペットボトルが3本入る大容量ポケットなどは、ファッションブランドのシェフパンツにはないワークマンならではの機能だと思います。 また、洗濯しても機能が持続する超撥水加工に加え、毛玉ができにくい生地を使うなど、頑丈さには非常にこだわっています。