ワークマンの大ヒットアイテム「超撥水シェフパンツ」が累計77万枚も売れた納得の理由
山田: 個人的に「超撥水シェフパンツ」で一番気に入っているのが、ウエスト部分です。ゴムが入っているだけでなく、ベルトループと紐も備えられているので、着用シーンによってさまざまなトップスとの合わせ方を楽しめます。 さらに、フロントファスナーがあることも、この価格帯のシェフパンツでは珍しいと思います。
川田: 実は、全てのワークマン製品のフロントファスナーにはYKK製のファスナーが使われていることをご存知でしたか?
山田: それは知りませんでした!
川田: この「超撥水シェフパンツ」で言えば、サイドの大容量ポケットのファスナーはYKK製ではありません。それぞれの箇所の特徴や、コストを考慮したうえでYKK以外のファスナーを用いることはありますが、フロントファスナーは信頼性の高いYKKのものを使うことは、ワークマンのルールとして決まっているんです。 その理由は非常にシンプルで、フロントファスナーが壊れてしまったら、服として着用できなくなるから。低価格であることももちろん重要ですが、少しでも長く着用していただけるようにすることは、最優先事項だと考えています。
「中の人」も知らなかった気づかいのディテール
川田: また、後面左右に設けられているポケットの深さがそれぞれ違うことにはお気づきでしたか?
川田: 裏返して見ると、左後ろポケットのほうが深くなっていることがわかります。これは、長財布などの大きめのサイズのものを入れられるように。とはいえ、両方とも深いとそれはそれで使い勝手が悪くなるので、左右で深さに変化を付けています。
川田: 紐やゴムを通して、裾を絞るためのディテールです。実は、職人さんのワークウエアの着こなし方って、地方によって違うんです。 九州では作業用のズボンは裾上げせず、ゴムを入れるという文化があるんです。たとえば、同じズボンでも大阪では100%裾上げを求められるのですが、九州だと80%くらいの方がゴムを入れることを希望されます。