「ときには命に関わる言葉の刃に」長濱ねるが“アウティング”に思うこと
意味や背景を知るほど誰かの無配慮な発言に自分も傷つくようになった
「私の母は養護教諭なのですが、生徒から『同性を好きになってしまったんですが変ですか? 』という相談を受けることがあるそうです。そのたびに『なにも変なことではないし、男性が好き! 女性が好き! と決めなくてもいいんだよ』と伝えていたそうで、私も10代の頃からそのような教えを受けていました。 アイドルグループに加入した際は、女性ばかりの環境だったので『周りの子が女の子を好きになることもあるかもしれない。もしかしたらあなたもそうなるかもしれない。だけど、それは変なことではない。人のそういう部分を揶揄するのはダメだよ』と母から言われていたことを今でも覚えています。 母からの教育もそうですが、人を傷つけてしまう言葉や差別的な言い回し、マイクロアグレッションを学んでいく中で、『知れて良かったな』と思うと同時に、私自身も誰かの無配慮な言葉に傷つきやすくなったのかなと思います。当事者の目線に立てていないような思いやりに欠ける言葉。その言葉の存在を知れば知るほど、たとえ発言者が悪気なく言っていたとしても、傷ついている自分に気づくことがありました。言葉を知ることで、見える世界があると思いますし、私自身はこのような言葉を使わないようにしよう、と発言を見直すきっかけになっています。 もし、誰かの極めて個人的な話題になった時、その場で本人が『傷つくから言わないで』と伝えることができればいいのですが、それが難しい局面も沢山あると思います。意識をしている周りの人たちがフォローすることができたらいいですよね。どんどん優しい連鎖が広まっていって欲しいです。 今回、こちらの記事を読んでくださった方も、ぜひ、周りの人たちにシェアしていただけると嬉しいです。一緒に言葉をアップデートしていきましょう! 不必要に傷つく人を減らせるよう、これからも私なりに草の根活動をしていきます」
今月のねるさん
スタイリスト/辻村真理 ヘアメイク/林由香里 取材・テキスト/伊藤由美子 ベスト27500円、ワンピース27500円/アイエムエヌケー(ナウンレス) TEL:03-6277-0378 パンツ38500円(ハイクル)、バングル26400円、リング26400円(ニナ・エ・ジュール)、ネックレス55000円(マッソーズアンドマッソーズ)、サンダル42900円(フラッタード)/ショールーム ロイトTEL:03-6277-0378
長濱 ねる