チェコも対戦拒否…FIFAは軍事侵攻のロシアをW杯から締め出せるのか…過去にユーゴスラビアが排除された例も
ロシアによる隣国ウクライナへの軍事侵攻を受けて、チェコサッカー協会は27日、3月下旬に行われるカタールワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフで、ともにグループBに入っているロシア代表との対戦を拒否すると宣言した。 プレーオフのグループBは24日にロシアとポーランド、スウェーデンとチェコがそれぞれ準決勝で対戦。勝者同士が29日の決勝でワールドカップ出場権をかけて戦う予定だったが、日本時間26日にポーランド協会が、同27日未明にはスウェーデン協会が対戦を拒否。チェコ協会も続き、グループBの3協会が足並みをそろえた。 軍事侵攻が開始された24日の段階で、3協会は「プレーオフはロシア領土内で行われるべきではない」と連盟で声明を発表していた。今回はさらに対戦拒否にまで踏み込み、ワールドカップ予選からのロシア除外を求める動きへと発展したなかで、対応の遅さが目立つ国際サッカー連盟(FIFA)を批判する声も高まっている。
ポーランド、スウェーデンも対戦拒否
ウクライナに対するロシアの軍事侵攻へ断固として「ノー」を突きつけ、戦争反対を訴える動きがスポーツ界、そのなかでもヨーロッパサッカー界で加速した。 チェコサッカー協会は27日に声明を発表。来月下旬に行われるカタールワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフで、ともにグループBに入っているロシアと「どのような状況になっても戦わない、と承認した」と対戦拒否を明言した。 ヨーロッパ予選はロシアワールドカップ優勝のフランス、同準優勝のクロアチア、さらにスペインやベルギー、イングランドなど10チームがすでに出場権を獲得。残り3枠を12ヵ国が争うプレーオフを残すだけとなっていた。 イタリアやポルトガルも臨むプレーオフは、4ヵ国ずつ3グループに分かれて一発勝負のトーナメントを実施。勝者が出場権を得るなかで、緊張状態が続いていたウクライナはグループA、ロシアはグループBに振り分けられる配慮が施されていた。 そして、準決勝までちょうど1ヵ月となった24日に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が軍事作戦を発表。ロシア軍によるウクライナへの侵攻が開始された。 ロシアと同じグループBにはポーランド、スウェーデン、チェコが入っていた。ロシアとポーランドが対峙する3月24日の準決勝だけでなく、ロシアが勝ち進んだ場合の同29日の決勝もともにモスクワでの開催となっていたため、3協会は24日の段階で「プレーオフはロシア領土内で行われるべきではない」と連盟で声明を発表した。 しかし、肝心のFIFAの動きがどうしても緩慢に映る。