3府県に「重点措置」西村&尾身氏会見(全文3完)地方部と都市部で分けた考え方をすべき
見えないクラスターを特定しつつ感染を抑えていければ
感染、陽性率がまだ4%ですので、ちょっとずつ、じわじわ上がってきてはいますけれども、なんとか踏ん張っているこの状況を、先ほど申し上げた21時までの時短の呼び掛け、そして飲食店への対策のガイドラインの徹底、これを都に促しながら、私ども連携して、感染が広がっている地域での密になる工場とか、現場の作業場とか、大学、寮、運動部、こういったところを、重点的にモニタリング検査をやって、そこで何か感染がありそうだとなれば重点的にまた検査をやることによって、見えないクラスターも追っ掛けていきたいと。また、深掘りの調査も始まりますので、積極的疫学調査が始まりますので、連携をして、見えないクラスターを特定しながら、そこで感染を抑えていければというふうに考えています。 ただ、変異株の動向が、まだ東京で、検査件数も増やしていっていますけれども、そこまで広がっていないんですが、これが早晩広がると思いますので、そういったこと、最大限の警戒感を持ちながら、また、いろんな事態を想定しながら次に何をやるべきか、これは尾身先生はじめ、専門家の皆さんにも日々、分析をしてもらいながら、次の手、次の手を考えていきたいというふうに思っています。
判断が遅れれば対策効果が出るのに時間が掛かる
尾身:東京都、首都圏ですね。早期の検討をするのかどうかという話ですけど。実は、何度も申し上げましたけども、去年の暮れから今年の初めにかけて、こういう緊急事態宣言に至った、二度目ですよね。これにはさまざま理由があったと思いますけど。ステージの考えというのはあったんだけど、なかなか、サーキットブレーカーとしての役割が必ずしも機能しなかった。それには理由があると思いますけど。国と、自治体や専門家との間の共通の判断、認識というのがなかなか得られにくかったということで、そういう教訓があったわけですよね。 そういう意味では、先ほど私、申し上げましたけど、プレゼンテーションの最後に。3つぐらい申し上げますと、どんな考えで、これからのサーキットブレーカーを、どういう状況になったら、これは数、1つのことでやるわけじゃないですから、どういう状況になったらサーキットブレーカー的なハンマーというものが、言ってみれば、今で言えば重点措置のようなことを含めた追対策を打つかという考え方をやっぱりしっかりと示す必要があって、それには幾つか重要な点があって。 やっぱりこれは、都市部と地方部では違いますね。都市部のほうが医療のキャパシティーが強い。小さい、地方部ではちょっとした感染で、すぐに医療の、しかも感染の上がりは地方のほうが急です、これは。ステージ3から4にいくこの期間を、今までのあれを見ても、地方部のほうがはるかに短期間にいきます。 そういう地方部と都市部で、少し分けた考えをしなくちゃいけないんじゃないかというようなこと。それから指標もいろいろありますけど、より早く、このリバウンドの予兆を探知するのによりふさわしい指標というのがあるわけで、そういうものについても私どもは考えて、なるべく早く転用したいというのは先ほど申し上げた。 それからもう3点目は、やっぱり国と自治体は、緊急事態宣言もそうですけど、この重点措置についても、かなり政治的な配慮というのは当然ありますよね。これはもう、これは単にサイエンスのことだけじゃなくて経済の影響。そういうことで、どうしても判断が遅れる可能性があって。判断が遅れれば対策打つのが遅れて、対策打ってから効果が出るまで遅れて、結構時間が掛かるんですよね。