カブトムシが世界のゴミ&食料問題を解決!? ''好き''の追求は必ず誰かの役に立つ #豊かな未来を創る人
地方の資源こそが日本を強くする
── この先、注力していきたいことを教えてください。 陽佑 カブトムシを通しての地方創生ですね。地方が発展すれば、日本はもっと良くなる。そう考えて、今は東北や四国など、全国各地の地方自治体との連携を進めています。例えば、カブトムシが好きな人を地方に呼び込んで、カブトムシでビジネスができる仕組みを作り、定住者を増やすといった施策です。我々民間と自治体が一緒に新たなチャレンジを行うことで、地域を活性化させたいと考えています。 健佑 これから日本の人口がどんどん減少していく中、どうすれば世界で日本の価値を発揮できるのか。それにはまさに、地方に眠っている資源がキーになるのではと考えています。水や緑が豊かな島国日本。その資源を使うことで、日本はもっと発展できるはず。だからこそ、地方でビジネスをすることに、僕たちはすごく意義を感じているんです。 ── 地方にこだわる想いの原点は? 健佑 やはりこの大館という場所ですね。ここは、自分たちを助けてくれたおじいちゃんとおばあちゃんが暮らす町。だからこそ、大館からビジネスを展開して、この場所をもっと良くしたいという思いがあるんです。 陽佑 実はその昔、僕たちの先祖はこの町で事業を営みながら、政治家として地域を支えてきたのだと聞きました。でも今は、先祖が懸命に遺してくれた財産はほとんどなくなり、おじいちゃんたちは最後に残った土地を全部売却して、僕らに投資してくれたんです。だから、頭を下げてお金を借りたとき、僕たちがそれをきちんと増やして、地域が良くなるよう還元していこうと、二人で決めたんです。
健佑 そして、せっかく双子でやっていくのなら、片方は民間、片方は政治で地域を良くしていこうとも話してきました。それで僕は、被選挙権を得た昨年に出馬して、今は大館市の市議会議員としても働いています。大好きなカブトムシを軸に、ビジネスと政治の両輪でアプローチしていくことで、地方、そして日本、世界を良くしていきたい。そんな使命感があります。 ── 地方から世界へ。まさに今、海外からもTOMUSHIの循環型ビジネスが注目されていますね。 陽佑 東南アジアや南アジアを中心とした、海外の政府や企業からお声かけをいただくことが増えました。来月もインド政府のもとに足を運ぶ予定です。大館で生まれた技術で、世界中の地域を豊かにしていけたらうれしいです。 日本と違い、海外では、実はまだまだカブトムシをゴキブリのような存在として捉えている国も多いんです。でも、いやいやそうじゃないよと。こんなにも立派な格好良い角が生えていて、その上地球を救える素晴らしい能力を秘めているんだと!それを引き続き僕たちが、この大館から世界中に伝えていきたいです。
取材・文 : 木村和歌菜 写真提供 : TOMUSHI