カブトムシが世界のゴミ&食料問題を解決!? ''好き''の追求は必ず誰かの役に立つ #豊かな未来を創る人
"好き"を追求すれば必ず仕事になる
── 好きなことをビジネスにつなげて、社会に大きく貢献する。お二人の在り方は、まさに多くの人が憧れる形なのではと感じます。 陽佑 僕はとにかくずっとカブトムシが好きで、自分で会社をやってみたいという夢もあった。今はどちらも叶えることができているので、本当に楽しいですよね。カブトムシボードゲームをずっとしているような感覚です。 健佑 僕は、好きなものを追求していけば、基本的にはどんなことでも仕事につながっていくんじゃないかと感じています。当初は、きっと近所の人たちも僕たちのこと、カブトムシ好きの変な双子だと思っていたはず(笑)。でも、なりふり構わず、カブトムシの面白さを突き詰めていくことで、ゴミ処理や飼料・創薬の開発、大学や企業、行政とのコラボなど、産業をまたいだあらゆる仕事につながっていきました。ですから、好きなことを本気で突き詰めれば、誰かの役に立つ方法は必ず見つけられると感じています。 ── とはいえ、"好き"をやり抜くことは、容易くはないようにも感じます。 健佑 そうですね。僕らも東京で最初に起業したときは、"好き"ではなくて、どちらかというと‟得意"な領域を選んだんです。でも、そうすると、周りが気になってしまうんですよね。「あっちの仕事の方が儲かっている」とか「うちより楽しそうじゃない?」みたいな。それで業績が悪くなると、サラリーマンの時の方が給料も待遇も良かったじゃんと。結局、目の前の事柄に没頭できなかった。だから、次の仕事をするときには、失敗してもいいから"好き"な分野の仕事をしようということだけは、決めていたんです。 みんな、自分の好きな趣味にはお金を使うじゃないですか。それって、見方を変えると、赤字が出ているのと同じこと。だとすると、好きなことを仕事にして、最悪赤字が出たとしても、趣味にちょっとたくさんお金を使いすぎたなと考えることもできるのではと思うんです。少なくとも、好きでもないことで失敗したときとは違って、心の底から「楽しかったね」と言える。僕の場合は、そういうマインドがあったから、続けてこられたのかなとも思います。 陽佑 それとやっぱり好きなことを続けていく中で、やりがいが変わってきたことも大きかったですね。最初は、大好きなカブトムシを育てることが純粋に楽しかった。でも、廃材を資源化することでたくさんの人から感謝や応援をされるようになって、大きな充足感を得られたんです。自分一人で享受していた"好き"が、誰かの役に立つ。そして、喜んでもらえたり期待してもらえたりすると、もっと楽しくなる。それって、とても贅沢なことだなと感じています。 健佑 やっぱり何かを体験すればするほど、好きなことややりたいこと、喜びを感じることって、どんどん見つかるし、どんどん変わっていくものなのではと。だから例え、好きなことややりがいを見失う時期があったとしても、失敗も含めてたくさんの体験をすることが、それらを見つける近道なのかもしれないと感じます。