自民・岸田氏が会見 総裁選出馬を表明(全文2完)思い切った財政出動を続ける時代が続く
自民党の岸田文雄政調会長は1日午後、記者会見を開いて自民党総裁選への出馬を表明した。 【動画】自民・岸田文雄氏が会見 総裁選への出馬表明「私の全てをかけて臨む」 ノーカット ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「自民・岸田文雄氏が会見 総裁選への出馬表明「私の全てをかけて臨む」 ノーカット(2020年9月1日)」に対応しております。 ◇ ◇
金融緩和を続けるのか
日本経済新聞:日本経済新聞の【ヤマモト 00:18:35】です。経済政策で言うと、いわゆるアベノミクス「3本の矢」との違いというのを問われると思います。金融政策については物価安定目標2%を堅持して金融緩和を続けるのかどうか。財政についてはプライマリーバランスの黒字化をいつ目指すのか。最後、アベノミクスでも道半ばといわれた成長戦略についてはどのようにリードしていくのか。この3点についてお伺いします。 岸田:まず、アベノミクス「3本の矢」との関係で言いますと、おっしゃるように、このアベノミクスは「3本の矢」と言いながら、実際は1本目の矢と2本目の矢、これを中心に経済政策が進められてきた、こういったことではありました。マイナス金利をはじめとする金融政策、そして思い切った財政出動、これがエンジンとなって経済を進めてきた、こういったことは間違いないと思います。 ただ、今、もうマイナス金利、これ以上、金利も深掘りができない。金融緩和、これ以上どうだろうか。こういった議論がある。実際、弊害として地方の金融機関をはじめ、さまざまなところで問題が指摘をされている、こういったことでありますし、財政、もともとこの厳しい日本の財政状況の中で、今回のコロナウイルス対策でさらなる財政出動が求められている、こういった状況ですから、財政出動についてもどこまでできるのか、こういった状況にあるとは思っています。
3本目の成長戦略を思い切って進めないと
ただ、これら金融政策も財政政策もすでに市場に織り込み済みですので、これをいきなり変えるとか触るということになりますと、これはまた別の弊害が出たりしますので、基本的なスタンスは、これらについてもしっかり大事にしながらも、まさに経済の持続可能性ということを考えたならば、この3本目の成長戦略、これを思い切って進めないと経済の持続可能性は維持できないんではないか、こういった問題意識を持っています。 そして、この経済の成長を考えた場合、これからの経済の成長を考えた場合に、なんと言ってもエンジンであるのは、21世紀の石油といわれるビッグデータであったり、あるいは5Gをはじめとする最新の技術、こういったものになるのではないか、このように思います。このビッグデータと、そして最新の技術、これに教育を結び付けることによって、遠隔教育ですとか、このビッグデータと、そして技術に医療を結び付けることによって遠隔医療ですとか、こうした組み合わせによって、ドローン宅配とか自動運転とかスマート農林水産業とか、さまざまな成長戦略を考えていくことができる。 先ほど立候補表明の中で紹介させていただきましたデジタル田園都市構想。これもまさにビッグデータと最新の技術と、そして地方を組み合わせることによって構想を進めていく、こういったことなんではないかと思います。ぜひ、この新しい時代の成長戦略というものをしっかり打ち出すことによって、3本目の矢、新たな経済のエンジンとしてしっかりと活用していく、こういったことを考えていかなければいけないと思います。 そして幾つかご質問がありましたが、プライマリーバランスの話がありました。これは先ほど言ったように、もともと先進国最悪といわれている財政状況があり、そして財政の健全化がいわれる中にあって、今回、新型コロナウイルス対策ということで、おそらく今年、90兆円を超える多くの国債を発行しなければいけない。こういった状況についてどう考えるかということですが、今回の新型コロナウイルス対策は、日本においてもこれは戦後最大の国難といわれる大変深刻な状況ですが、これは世界規模で感染の影響が拡大をしています。よって世界各国、少なくとも主要国は、アメリカも含めて、これからしばらくは思い切った財政出動をし続けていく、こういった時代が続くと思います。