古き良き日本の港町、千葉・勝浦でのサーフスタイル
アフターサーフには得意なスパイスカレーを
そして波ですが、ひとたび台風のスウェルが入ってくれば、勝浦のそのポテンシャルの高さは他のエリアに決して引けを取らないものがあります。安定したリーフの地形が、想像以上のロングライドを約束してくれることも少なくありません。 僕もメインやその他のポイントでたくさんいい波を味わわせてもらいましたよ、これまでに何度もね。さらに言うとライトの波がブレイクするポイントが多いのでね、僕のようなレギュラーフッターにはたまりません。おかげさまでレフトの波、いわゆるバックサイドは一向に上手くなりませんが。 ところで勝浦滞在中、僕はほとんどの場合自炊をします。熊本から持参した自家製のお米を炊いて、近所のマーケット(主にベイシア)で買い出しをして、適当な料理を作る。勝浦は海産物ばかりでなく農産品も質の高いものが安価に手に入りますから、外食ばかりではもったいない。 ハウスには立派なキッチンもありますしね。僭越ながら僕がこのサーファーズハウスを訪れるようになって、料理を作ると言う習慣がこのハウスの仲間達にもかなり定着したようです。人と人ってコミュニケーションを通して共鳴しながら、徐々にライフスタイルを変化させていくものなんだなと実感しています。 今回海上がりに僕が作った夕食のメニューは、「ほうれん草ともやしのナムル」、そして「スパイスチキンカレー」です。ナムルは初挑戦でしたが、なんとなくこれまでの経験からくる引き出しによるノリと雰囲気で作ってみましたが、予想以上にうまくいきました。すり下ろしたニンニクの風味がサーフィン後のビールにマッチします。 その日はサーフィンしかしていませんが、何かを、あるいは一日を無事に生き抜いた後のビールってなんて美味しいのでしょう。噛み締めるようにハートランドを飲みながら、こんなことを思いました。好きなことしかやってこなかったわがままな人生だけど、何一つ後悔することはないな、とね。 カレーはこれまでに数え切れないほど作ってきたのでね、スパイスやその他塩などの調味料含め、勘を頼りにだいたい上手く作れます。下手すると目を瞑っても作れるかもしれません。でも本当に目を瞑って作ると、おそらく指を切ったり火傷したりするでしょうね。 平日の僕の滞在に合わせて来てくれた、ハウスのオーナーである友人二人も喜んで食べてくれました。飲みながら食べながら語るのは、今日の波について、そして明日の波の僕らなりの予想など。 「〇〇くんのあの一本はヤバかったね!」 「いや、東田くんこそいい波いってたじゃないすか~」的なお互いの賞賛から始まり、 「明日サイズアップするかも。風が南よりだから、あの〇〇ポイントがいいかもね」 「いや、意外と今回の波、早く終わっちゃうかもだから朝イチにエントリーした方がいいかもよ」 って具合にね。 時々そこから昨今の世界情勢や、政治経済の話へと中途半端に発展することもありますが、気の合う仲間同士だと何を話してても楽しいものです。打ち寄せる波の音を窓の向こうに聴きながら、こうして静かで安らかな勝浦の夜は更けていくのです、うん。