中国での拡大が報じられた「ヒトメタニューモウイルス」感染症の危険性は? 専門家に聞いた
今回の年末年始はインフルエンザの患者が急増し、各地で警報が発令された。9連休明けの現在は、帰省等で接触が増えたことから、インフルエンザに加えて新型コロナウイルスなどの感染拡大が心配される。 【写真】元グラドル小出広美さんは日本最大規模の「反ワクチン団体」で活動 そのワケを本人に直撃 そんななか、共同通信が6日に配信した中国メディアの情報によると、中国で呼吸器感染症「ヒトメタニューモウイルス感染症」が拡大しているという。また、すでにインドやインドネシアでも感染者を確認しているようだ。ヒトメタニューモウイルス感染症は昨年11月から拡大傾向であるとされる。今月28日には中国は春節(旧正月)を迎えることから、日本でも感染拡大が懸念されるが……。 ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見された。おもに1~3歳の乳幼児に感染が多くみられ、大人にも感染する。肺炎などの急性呼吸器症状や発熱があるという。 今後、新型コロナのようなパンデミックが起こりうるのだろうか。浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏に聞いた。 「パンデミックの可能性は低いと思います。空気感染の要素が少なく、感染経路は飛沫感染や接触感染(汚染されたものに触れ、その手で自分の粘膜に触れる)が主なものだからです」 ――感染した場合、インフルエンザやコロナとの見分けはできるのか? 「すでに世界中に広がっていますので、殆どの人は過去に感染したことがあると思います。ただ症状でインフルエンザやコロナと鑑別することは難しい。幼児や高齢者で重症化することがあるのですが、それ以外の年齢層では無症状か風邪程度です」 基礎疾患があったり高齢者などは重症化のリスクも避けられず、「例えば、米国で介護施設の高齢者で集団感染があったケースでは、咳などの呼吸器症状を呈する患者57人のうち、25人 (56%)が肺炎となり、6人(11%)が死亡しています」という。 ――もっとも、矢野氏は今回の感染者の状況を注視すべきと懸念する。なぜか? 「現在問題となっているウイルスによる肺炎の年齢層が気になります。若年~中年の成人で重症化しているならば心配です。その場合には、病原性のあるウイルスが誕生した可能性があるからです」 ――予防のためにできることは? 「インフルエンザ対策で予防可能です。マスク着用、社会的距離を空ける、手指消毒をしっかりしてください」 しばらく感染症対策の生活が続きそうだ。 ◇ ◇ ◇ 感染症からの肺炎を悪化させないためには?●関連記事【もっと読む】インフルやマイコプラズマ肺炎の患者激増…薬が手に入らない…重症化させないために今すぐすべきこと…に詳しい。