「私には “ 自己肯定感 ” なんて存在しないんです」絶対服従する妻に、モラハラ夫が怒る「3つの心理」とは?
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫のモラハラが治り優しくなってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方が多くいます。離婚を決意しても、実際に離婚の手続きを進めようとすると夫から拒否をされ調停や裁判にまで発展し、次第に心を病んでいってしまいます。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。 今回は幼い頃からの癖で、人に逆らうことができずに夫のいうことを全て鵜呑みにして謝ってばかりいたSさんのお話です。
両親の影響で自分に自信が持てず、人に嫌ということができない
幼い頃からSさんは、両親から「親の言うことは絶対だ」という教育を受けて育ちました。どんなに理不尽なことを言われても、親に逆らうことはできず、自分の意見を飲み込むのが癖になっていました。親に怒られないようにするためには自分の意見を持たないこと、それが自分を守る唯一の手段として成長してきたのです。 その影響は大人になってからも続きました。結婚後、夫から暴言を浴びせられる日々が続く中でも、Sさんは自分が悪いのだと思い込んでいました。彼女の心には、幼少期から植え付けられた「絶対的な服従」が深く刻み込まれていたのです。 Sさんは、夫に一度も自分の意見を主張することなく、ただ夫の言葉に従い続けました。しかし、心の奥底では、違和感と苦しみが日に日に積もっていくのを感じていました。 「夫は自分がミスをしたとしても、全て私のせいにするのです。そして私に対して『俺がいないとダメだ』『俺以外あんたのことを相手にする人はいない』『だってあんたは何も出ないから』と何かにつけて言ってくるのです。 元々自分に自信がない私なので、夫のいうことをその通りに受け取っていました。私は何もできないのに、夫は私を妻にしてくれているから感謝しないと、夫のいうことは全て聞かないといけないといつも自分に言い聞かせていました。 私の両親も『あんたみたいな取り柄のない子を嫁にもらってくれる人なんて神様みたいな人だ』と言っていました。親の言うことは絶対正しいと育てられていたので、夫は神様みたいな人だと無理やり信じ込んでいました。」 Sさんは親の影響で自己肯定感が全くない状態でした。Sさんの両親に限らず、自分の子供に教育だからと言って大人同士ではとても言えないような罵詈雑言を、平気で浴びせる親が多くいます。「子どものため」「しつけのため」と子供に対して発せられる、 「普通の子はできるのにあなたは何度言ってもできないのはおかしい」 「他の子はできるのに、ちゃんとやらなきゃダメでしょ」 「なんでこんな子に育ってしまったのか」 「本当にあなたはだらしがない」 などの言葉は、親から子供に対するハラスメントになります。 子供の心はとても傷つきやすいものです。そして大人の言葉の影響で、自分に自信を持つことができなくなり自己肯定感の低い人になってしまうのです。 Sさんはこんな言葉を言われ続けたため、いつも自分が悪い、自分は価値がないと思い込んでいました。