特集「天皇皇后両陛下イギリス訪問」を振り返って~英語“初”スピーチで“笑い”も 留学中の“3枚の写真”秘話 令和流の“未来志向”とは【皇室 a Moment】
(天皇陛下のスピーチ・英語) 「At the beginning of my stay in Oxford, I was not used to handling British currency and found myself using too many notes and collecting too many heavy coins. (留学当初はどうしても英国のお金の扱いに慣れず、ついついコインより紙幣を多く使ってしまい、結果として手元には重いコインをためることとなり)」 (一同笑い) 「On one occasion they all fell out of my purse.(ある時、それらが財布からいっぺんにこぼれ落ちてしまったことがありました)」 ――英語のスピーチだと、皆さん同じタイミングで笑うこともできますし、陛下もリアクションを感じながら話すことができて、より気持ちが通じ合っているような感覚がありますね。 陛下はこれまで、国内でも英語でお言葉を述べ、水問題の会議では英語で長い講演もされてきました。今回は、イギリスで学んだ感謝の気持ちや、イギリスで学んだ英語で語りかけたいという思いがあったのではないでしょうか。ボーダーレスの時代にあって当然の流れですが、“時代を画す大きな変化”として注目していいと思いました。
■間近で見た元特派員が明かす留学時代の“素顔”
――井上さんは今回、陛下の原点と言うべき留学中の様子を間近に見た方を取材されたそうですね。 ちょうど両陛下の訪問中、北海度・札幌市に住む83歳の長南敏雄(ちょうなん・としお)さんを訪ねました。NNNロンドン特派員として、1983年からの陛下の留学を近くで取材し、貴重な写真もたくさんお持ちでした。
長南さん)「実はこれが、私がいろいろと取材した陛下の留学時代の写真とネガなんですよ。これは6月21日だったと思うんですけれども、朝午前5時ですよ」 井上さん)「まさに陛下の第一歩」 長南さん)「お疲れの様子も見せず、ニコニコしながら陛下がタラップを下りられまして。やっぱりお若いなっていう気がいたしましたけれども」 長南さんによると、陛下はオックスフォードで「学友をたくさん作りたい」という思いを持ち、その願い通りにたくさんの友人を作られました。寮ではコーヒーメーカーに日本酒を入れて熱かんにし、「ライスワイン」と言って仲間たちに振る舞われていたそうです。 ――陛下の留学中の日常生活が伝わってくる写真ですね。