特集「天皇皇后両陛下イギリス訪問」を振り返って~英語“初”スピーチで“笑い”も 留学中の“3枚の写真”秘話 令和流の“未来志向”とは【皇室 a Moment】
■“思い出の地”を歩いた両陛下…「お帰りなさい」に幸せかみしめ
今回の訪問では、オックスフォード大学での名誉学位授与式のあと、両陛下はオックスフォード市内をしばし散策してから、天皇陛下が学んだマートン・コレッジを訪問されました。 ――懐かしい街を初めてお二人で歩かれたんですね! 陛下は、去年復刊された著書『テムズとともに』の最後に「雅子とともにイギリスの地を再び訪れることを願っている」と書かれていますが、それが実現した喜びが伝わってきます。 長南さんも今回のイギリス訪問の様子をテレビで見て、「陛下のご様子を拝見していると、留学時代に培ったご自分の感覚、勉学の一端が、今日に生かされているのではないか」と話していました。 ――40年前に取材された方にとっても、今回の訪問は感慨深かったでしょうね。
陛下は、帰国前、去年のインドネシアに続き、カメラの前で同行記者たちの質問に応じられました。英語でのスピーチについても話されています。 天皇陛下) 「非常に温かい雰囲気の中でスピーチをすることができて、何か比較的リラックスしながらお話をすることができましたし、皆さんがこちらの方をよく聞いてくださっているということがわかって、これは大変話している私としてもうれしく思いました。『おかえりなさい』というふうに言っていただいた、『Welcome back』ということを多くの方から言っていただいたこと、本当にこれは私はうれしかったですし、その思い出の地に今回、雅子にとってもこのイギリスは思い出の地ですので、2人で立つことができた。これは本当に大変幸せなことだというふうに思っております」 陛下の構えない生の言葉から、喜びの大きさが伝わってきます。 ――見ているだけで、私たちまで幸せな気持ちが広がりますね。 陛下の友好親善に対する思いは、国王・王妃主催の晩さん会のスピーチの、次の言葉に“凝縮”されていると思います。 (国王王妃主催晩さん会の答辞より) 「裾野が広がる雄大な山を、先人が踏み固めた道を頼りに、感謝と尊敬の念と誇りを胸に、更に高みに登る機会を得ている我々は幸運と言えるでしょう」 陛下は留学中、イギリス各地の名峰にも登られています。昭和天皇や上皇さま、そして多くの人たちが築いてきた両国の友好への感謝を、お好きな登山に例えられた、陛下らしさを感じる言葉だと思います。