特集「天皇皇后両陛下イギリス訪問」を振り返って~英語“初”スピーチで“笑い”も 留学中の“3枚の写真”秘話 令和流の“未来志向”とは【皇室 a Moment】
チャールズ皇太子・当時)「総理大臣、議場の皆さま、コンニチハ!」 「コンニチハ!」で始まったスピーチは、陛下がオックスフォード大学で学ばれたことについて「英国人にとって大変な名誉」と喜びつつ、「留学先選定にあたって私の意見が求められていたら、たぶんケンブリッジをお薦めしていたと思います」と、母校のケンブリッジ大学でなかった残念さを語って議場を笑わせました。
それから38年…。今回の晩さん会のスピーチで、陛下は皇后さまとお二人でオックスフォード大学を訪ねる喜びを語るに当たって、「オックスフォード」という言葉の後に、「国王陛下の母校のケンブリッジ大学ではありませんが」と付け加えられましたが、これがアドリブでした。 ――38年前のスピーチの“返し”が今回アドリブで。ステキですね。 そこに40年来の友情と、国王の国会演説に対する“返歌”をみる思いでした。国王の笑いは、きっと、当時を思い出してのことではなかったかと思いました。
■“大きな変化” 天皇陛下のスピーチは英語で
伝統の手拍子で天皇陛下が迎えられたのは、金融街「シティ」で行われた晩さん会です。こちらでのスピーチも話題になりましたが、実は、今回の訪問中に4回あった陛下のスピーチは、すべて英語で行われました。これが大きな変化なんです。 ――これまでは違ったんですか? はい。昭和、平成の天皇訪問の際の、同じ「シティ」の晩さん会は日本語でした。
(昭和天皇のスピーチ・日本語) 「私はロンドン市とその市民が将来長年にわたり一層の繁栄に恵まれますよう希望いたします」
(上皇さまのスピーチ・日本語) 「日英両国民の間の友好親善関係が、今後とも、確固たる基礎の上に一層発展していくことを切に望みます」 昭和天皇の訪問も、平成の天皇だった上皇さまの訪問も、スピーチは日本語で行われ、出席者はテーブルに置かれた“英語訳”が頼りでしたし、私たちもそれが“当たり前”と受け止めていました。しかし、今回は英語で通されました。