特集「天皇皇后両陛下イギリス訪問」を振り返って~英語“初”スピーチで“笑い”も 留学中の“3枚の写真”秘話 令和流の“未来志向”とは【皇室 a Moment】
■秘話 祖父の昭和天皇へ送られた“3枚の写真”
こちらは初めての冬休み、指導教授のピーター・マサイアス教授と世界初の鉄橋を訪ねた時の様子です。教授から産業革命の時に建設された鉄橋について説明を受けられています。 この後、ロンドンの日本大使館から長南さんに写真を提供してほしい、という頼みがあったそうです。 長南さん)「陛下はご自分で写真を撮られるんですけども、自分が写り込んだ写真はなかなかないですね。そういうことで、ぜひ昭和天皇にお送りしたいということだったようです」
――長南さんの撮ったこちらの3枚の写真が、昭和天皇に送られたんですね。 そのようです。側近の日記や当時の駐英大使の著書などによると、昭和天皇は孫の陛下の留学をすいぶんと気にかけ、当時の大使からの月に一度の報告電報も楽しみに読んでいたそうですから、“元気にやっています”というメッセージだったのではないでしょうか。 さらに帰国の翌年の1986年、陛下が北海道の利尻山を登山された時に、麓で取材していた長南さんに思わぬ出来事がありました。
陛下と長南さんの会話) 「イギリスで大変お世話になりました。去年7月に(日本に)帰って参りまして」 長南さん)「陛下がつかつかと私の所へ寄ってきて、『長南さんですか?』と言うわけですよね。私はびっくりしました」 ――陛下は長南さんの名前をしっかり覚えられていたんですね。これは、うれしいですね。 長南さんは陛下の留学が終わる前に帰国していたので、陛下に「いつ帰国されたんですか」と尋ねられたそうです。 このほかにも、長南さんの写真は陛下の貴重な表情を“活写”していました。
こちらは、アフリカ訪問の帰りにイギリスに立ち寄ったご両親・上皇ご夫妻をオックスフォードに迎えて案内されているところです。
こちらは初めての海外旅行で訪れた妹の紀宮さま(黒田清子さん)を案内されている場面です。きょうだいの仲の良さがうかがえます。 ――ご家族を迎えてほっとされた表情も見えますし、自分が生活している街を紹介する様子、生き生きとしているように見えますね。