観光客で大渋滞…。オーバーツーリズムで「修学旅行」の定番“京都・奈良”に見直しの動きあり?
◆東京ディズニーリゾートの教育的意義とは?
東京ディズニーリゾートは、『教育旅行年報データブック2023』の見学先ランキングでも、中学校では8位、高校では3位にランクインする人気ぶりです。 東京ディズニーリゾートにも、実は学びの要素がたくさんあるそうです。「ディズニーアカデミー」という中高生向けプログラムがあり、修学旅行に活用する学校もあります。キャストから直接レクチャーを受けることができて、「働く場」としてパークを見る視点が得られます。 「キャストがゲストに対してどういう接し方をしているのかを学ぶことは、キャリア教育になります。たとえば、文化祭の出店時に『小さな子どもにはしゃがんで話しかけよう』など、具体的な行動にもつなげられます」(竹内さん) 私立校では海外も珍しくありません。異文化体験や国際交流など海外ならではの体験をできるのが魅力です。行き先で最近増えているのは韓国。物価がそこまで高くなく近いため、旅費を抑えられるのが人気の理由です。また、目新しいところではブルネイ。 「街がきれいで安全で、イスラム文化を感じられる穴場」だそうで、最近は教育旅行の誘致にも力を入れているそうです。 修学旅行が多様化しているのを実感しているという高野さん。「オーバーツーリズムの問題もあり、考えざるを得なくなっているというのもありますが、行き先を分けたり個別行動を増やしたり、各校がいろいろなやり方を考えています。もちろん、団体行動で得られる学びやコストメリットもあります」と続けました。 地域や学校の状況に応じた行き先選びが、今後ますます重要になりそうです。
▼古屋 江美子プロフィール
子連れ旅行やおでかけ、アウトドア、習い事、受験などをテーマにウェブ媒体を中心に執筆。子ども向け雑誌や新聞への取材協力・監修も多数。これまでに訪れた国は海外50カ国以上、子連れでは10カ国以上。All About 旅行ガイド。
古屋 江美子(ライター)