【MLB】 ドジャースが今季8勝のパクストンをDFAした理由 MLBのルール“DFA”をおさらい
日本時間7月23日、ドジャースは先発左腕のジェームズ・パクストンをDFAしたことを発表。パクストンの代わりに新人のリバー・ライアンが40人枠に入り、同日メジャーデビューを飾った。ライアンの好投もあってドジャースは後半戦4連勝を達成。しかし、先発投手に故障者が相次ぐ中で離脱せずにローテを回し、ここまで8勝を挙げていたパクストンのDFAには驚きを覚えた人もいるかもしれない。 【動画】ドジャース・ヘルナンデスの勝ち越しタイムリー(MLB.comより) パクストンがDFAされた理由は主に2つ。クレイトン・カーショウら故障者が復帰してくること、そして故障者が戻ってきてもローテに留まれるほど、パクストンの成績が良くなかったことが挙げられる。故障者に苦しめられてきたドジャースは、ついに明日のジャイアンツ戦で大黒柱のカーショウが今季初先発予定。そして、明後日にはタイラー・グラスナウも復帰してくる。対して、パクストンはチーム2位の8勝を挙げているものの、防御率は4.43。持ち前の奪三振力は衰え、内容は良くなかった。 そもそもDFAとは、40人枠から選手を早急に外す措置のことを指す。今回のケースでは、ライアンとカーショウは40人枠に入っていない選手であり、プレーさせるためには40人枠に空き枠が必要だった。今日のメジャーデビューまでマイナーでプレーしていたライアンはともかく、カーショウは故障者だ。ただ、カーショウは重症の場合に登録できる60日ILに入っていた。60日ILは2ヶ月以上出場できない代わりに、40人枠からも外れることができる。チームは早期復帰が望めない選手の代わりの空き枠を手に入れられるということだ。山本由伸も先日、60日ILに移行されている。 DFAは、日本球界に厳密に対応する用語がないため、“事実上の戦力外”と表現されることもある。しかし、戦力外通告や解雇と異なる点は、チームがDFAした選手の保有権をすぐに放棄するわけではないという点だ。チームはDFAした選手をマイナーに降格させること(アウトライト)も、トレードに出すこともできる(もちろん選手がそのままリリースされることも、マイナー降格を拒否してFAになることも)。 パクストンはこのままトレードになる可能性が高い。ドジャースは昨年7月、やはりパクストンと似た状況にあった1年契約のベテラン先発投手ノア・シンダーガードをDFA。シンダーガードはその後ガーディアンズにトレードされ、ドジャースはその代わりに内野手アメッド・ロサリオを補強している。“売り手市場”の今夏トレード市場では、パクストンを必要とする球団もいるはずだ。 グラスナウとカーショウの復帰が控え、6人目の先発投手となるライアンを必ずしも今日デビューさせる必要は無かったかもしれない。しかし、パクストンをトレードに出すことを見据え、トレードデッドラインほぼ1週間前のこのタイミングでのDFAを決断したのだろう。ちなみにパクストンの契約には、20先発目をこなせば100万ドルが支払われる出来高が設定されていた。パクストンは先日、今季18回目の先発を終えたばかりだった。