なぜ侍ジャパンの新監督に栗山英樹氏が選ばれ二刀流スター大谷翔平の代表入りに「必要ですか?」と逆質問をしたのか
東京五輪で金メダルを獲得したチームを土台にするわけでもないという。 「野球選手の状態というのはその年によって全然違う。ある意味、状態よく入っていく選手でやるのが重要。先入観を持たないようにと思っている。野球界全体で主力選手が若返ろうとしている時期に見えるのも事実。新たなスター選手が出始め、変わっていく感じは受けている。そういう選手たちをなんとかという気持ちもあるが、どういうチームが勝てるのかが大切な要素。自分が(人選を)間違わないようにしっかりとやっていきたい」 そして求める選手像をこんな言葉で表現した。 「追い込まれて苦しい展開になり、“負けたか”とみんなが思う状況から“絶対大丈夫”と信じていける選手が必要。幅広く対応力があり力のある選手が求められる」 栗山氏は日本一になったヤクルトの高津監督が使ったフレーズを使った。 日本シリーズ、CSの戦いの中でも東京五輪の選考からは漏れたヤクルトの奥川、高橋奎、塩見、オリックスの宮城、宗、紅林、ロッテの佐々木朗希ら若い力の躍動があった。大谷、ダルビッシュ、菊池、筒香らの日本人メジャーリーガーに“5冠エース”のオリックスの山本、本塁打王のヤクルトの村上、そして急成長してきた若手が融合し、その時点でベストの布陣を組むことができれば、アメリカや南米のチームが、本腰を入れ始めてから、勝てなくなった壁を突き破ることも可能なのかもしれない。 栗山氏は「選手を信じること」と「怪我人だけは絶対に出さないこと」を心に刻み指揮を執るという。 「メジャーリーガーが出てくる戦いの中で、そういうチームを打ち破って頂点に上りつめることを野球ファンのみなさんが待っている。10年(監督を)経験するなかで、本当の思いは勝たなければ伝わらないというのを経験してきている。なんとしても勝ち切って、本当の思い、選手の思い、選手の素晴らしさ、日本野球の凄さを伝えられるように全力を尽くしていく」 栗山氏は、そう決意を語った。 現在、コーチ陣の人選を進めている。勝負のWBCは2年先。情熱家で球界きっての理論派でもある栗山氏は、どんな新生侍ジャパンを創り上げるのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)