なぜ侍ジャパンの新監督に栗山英樹氏が選ばれ二刀流スター大谷翔平の代表入りに「必要ですか?」と逆質問をしたのか
最初に打診を受けたとき、日ハム監督を退任したばかりの栗山氏は「驚きで頭が真っ白になった」という。 キャスター時代に2000年のシドニー五輪から2009年のWBC連覇まで、すべての侍ジャパンの戦いを取材してきた栗山氏。決断に際してアテネ五輪予選に挑む長嶋氏にインタビューした際の思いが頭をよぎった。 「星野さん、王さんもそう。野球を作って下さった大先輩方が人生をかけて必死になられた。責任も重く結果を残していかねばならない大変な仕事だとわかっていたのでしっかりと考えた。選手たちには、“野球界にためになることはちゃんとやるんだぞ”と言ってきた。自分がその立場になったとき、感情とは別だと思った」と熟考したのち、使命感を感じて監督就任を決断したという。 「日の丸をつける意味、日本野球、ジャパンチームの意味、責任、そういったものを感じている。野球が始まった頃から野球の大先輩の方々が作って下さった環境をどう次の世代へ残していくのか。歴代の素晴らしいジャパンの監督さんの思いを胸に刻んで前へ進んでいかなくてはならない。みんなの力を結束してWBCで優勝できるように全力を尽くしていく。誰よりも野球を愛して、選手を愛して、精一杯務めさせていただきます」 「スケジュール的にも本番に向けての試合数、集まる時間も少ないが、日本の選手は、日の丸に対して、魂のある選手が多い。その思いを持った選手でスケジュールを乗り越え、野球の本場のアメリカで勝ち切る大変さはわからないが、見ている人が感動できるようなチームになれるようにしっかりやっていく」 そう所信表明した栗山氏は、30分以上の質疑応答に丁寧に答えた。 栗山氏は果たしてどんなチームを作り、どんな野球で、2009年以来となる3度目の世界一を奪回しようと考えているのか。ファンが気になるのは、五輪やプレミアとは違い、メジャーリーガーの招聘が可能となるWBCで、日ハム時代の教え子である二刀流スター、大谷をメンバーに加えるか、どうかという点だ。 代表質問をした日テレのアナウンサーに、その点を質問された栗山氏は「必要ですか? 翔平?」と逆に質問を返した。 「待っているファンが多いと思います」とアナウンサーが切り返すと独自の大谷論を展開した。