なぜ侍ジャパンの新監督に栗山英樹氏が選ばれ二刀流スター大谷翔平の代表入りに「必要ですか?」と逆質問をしたのか
「そうですか。僕の中では、ファンの皆さんが見たい本当に夢のようなチームになって欲しいという思いはある。そのためにどうしていけばいいかを考えていく。大谷選手だけでなく、アメリカでプレーしている選手、もしかしたら、NPBでプレーした経験がない選手でもいい選手がいると信じて、すべての要素から勝てる選手を選んでいくだけ。ファイターズではそうだったが、僕の中では、いつも“バッター大谷“と“ピッチャー大谷”という選手が2人いて、その2人の選手が全体像のなかで必要であれば、もちろん、そういう風(メンバー入りさせる)に思うでしょうし、そこだけを特別にということもない。本当に必要であれば、どこに誰がいようと、お願いしにいく」 いかにも理論家の栗山氏らしい正論だ。なぜ逆に質問を投げかけたのかの理由もわかった。 ただ侍ジャパンにおけるメジャーリーガーの存在意義については、「アメリカという環境、(メジャーの公式)ボール、世界の選手を肌で感じている選手の経験は凄く大きなものだと当時は思った。アメリカに行って活躍している選手は、日本で大きな実績を残した憧れの選手。そういう選手と一緒になってやることに凄く意味がある。その重要性を凄く感じたし今も感じている」と付け加えた。 2006年、2009年のWBC連覇を引っ張ったのは、イチロー氏、松坂大輔氏というアメリカの野球を知るメジャーリーガーだった。大谷がメンバー入りする要件は整っている。 栗山氏は、どんなスタイルでWBCを戦うのか、そのためにどんなチームを作るのか。 「やりたい野球はあるが、集まっている選手が一番勝ちやすい形を作るのが監督の仕事だと思っている。自分がやりたいこと(野球)とは別。ベースとして“日本野球ってこういうものだぜ”というものはあるが、それを“こういう野球をするんだ”とみんながわかる形を作るのがこっちの仕事。どういう野球が勝ちやすいかを間違ってはいけない。(世界で勝ち切る野球を)これから細かく考えていくが、相手チーム、どういうメンバーが出てくるかによる。日本の野球の本質的な良さとして、きめの細かい、精度の高いピッチャーを中心にした防御中心のしっかりとした野球ができるベースがある。それで勝ちきれないなら思い切ったことをやらないとダメ」