虎のソナタ 感慨深い…虎OB会総会52年の歴史 91年はバースが、14年は江夏さんが初登場
本欄が掲載されている新聞が届くのは12月1日。師走に突入である。もう12月。早っ!と思うのは、おっさんだからなんだろうなぁ。 11月を締めくくる30日には阪神のOB会総会が大阪・福島のホテル阪神で行われた。岡田彰布顧問らタイガースの歴史を彩ったお歴々が参集。藤川球児新監督も駆けつけた。OBが旧交を温めるだけでなく、今季活躍した現役選手の表彰もあり、才木浩人や桐敷拓馬、森下翔太らも呼ばれた。今季限りで引退した秋山拓巳もねぎらわれた。さすが伝統球団だ。 そして今回はOB会長が14年ぶりに交代。第7代会長の川藤幸三さんが退き、阪神を代表するスラッガーだった掛布雅之さんが引き継いだ。新OB会長の記事は最終面でたっぷり読んでいただくとして、一般スポーツ面を担当していた元虎番キャップ経験のデスク長友孝輔はちょっぴり感慨深げだった。 「OB総会でも1面になるのが阪神ですからね。新監督が先輩方に激励されればそれが原稿になりますし、何もないときは川藤会長を新聞記者が囲んで大いに語ってもらい、チームにゲキを飛ばしてもらうのが慣例でした」 近年虎番を務めた記者にとって、OB会長といえば川藤さんだった。第6代OB会長の田淵幸一さんが星野仙一さんに呼ばれて楽天のヘッド兼打撃コーチに就任することになったため、わずか1年でOB会長を退任。急きょ後任に指名されたのが川藤さんだった。 2010年11月27日のOB会総会。「先輩の方々にとっても急に…『なんでワシやねん!』という大役を仰せつかり、自分自身びっくりしています」とあいさつ。総会の当日、田淵さんに呼ばれて、ホントにその場で「会長やってくれ」と言われたらしい。 でもそれから、いろいろな話題を提供してくれた。14年11月29日には、通算206勝193セーブのレジェンド左腕・江夏豊さんが66歳にして阪神OB会総会に初登場。当時プロ2年目の藤浪晋太郎を激励などして、主役の座をさらったものだ。 長友が思い出すのは16年11月26日のOB会総会だという。「高山(俊)と原口(文仁)がブレークした年で、敢闘賞をもらって星野さんと田淵さんから表彰されたんです。原口は田淵さんから『とにかくお前はバットでアピールしろ』と言われたそうで。8年経った今は、代打の切り札になってFA宣言する選手になるんですからね…」。