【おひとり様老後の3大不安を解消!・認知症】地域の介護支援サービスを早めにチェック。かかりつけ医で早期発見、症状が進む前にケアマネとの繋がりを
年齢を重ねてからのひとり暮らしは、経済面や健康面などの不安がつきものです。今から何に備えておくべきでしょうか。医療にかかるお金とおひとり様の介護事情に詳しい専門家2人が、それぞれレクチャーします(構成=山田真理 イラスト=高橋ポルチーナ) 【一覧】成年後見制度の種類 * * * * * * * ◆地域の介護情報は早めにチェック 私は20年以上、おひとり様で認知症の友人のサポートをしてきました。彼女は69歳のときにアルツハイマー型認知症と診断されましたが、「自宅で生活したい」と譲らなかったため、私が半ばなりゆきで介護のキーパーソンと任意後見を引き受けることに。 その経験を通して、おひとり様で認知症になっても希望する暮らしを叶えられるかどうかは、自分の意思と、認知症になる前の「備え」に大きく左右されると実感しました。 まず、皆さんに今すぐ始めていただきたいのは、地域で人間関係を作り情報を得ること。おひとり様が認知症になったとき、最も頼りになるのは自分が住む地域の人とのつながりと支援サービスです。 日本の社会福祉は基本的に申請が必要なので、自分で手続きをしないと公的なサービスを受けられません。だからこそ、実際にどんな種類があるか、どのように申し込むかなどの知識を今から蓄えておくべきです。
今後必要になる情報が集まるのは、主に次の3つ。 (1) 市区町村の役所 福祉・介護サービス、在宅ケアや施設選びの講座などに関するパンフレットやチラシが置いてあります。情報はホームページにも掲載。 (2) 地域包括支援センター 高齢者や介護に関する総合相談窓口です。公的な介護保険サービスだけでなく、自治体独自のサービスやその利用方法、介護予防のための取り組みや講座などの情報をまとめて得ることができます。 (3) 社会福祉協議会(社協) 住民やNPOなどが行うボランティア活動や福祉サービス、成年後見事業などの情報が集まっている半官半民の機関です。 介護家族の会に加え、認知症の人やその家族、ケアの専門職と地域の人がゆるやかに集う「認知症カフェ」も全国で増えています。認知症の本人と出会うことで、認知症に対する意識を変えることができるほか、地域の医療・介護情報を得る機会にもなるので、気軽にのぞいてみるといいでしょう。 ほかにも、ハードルが低く気軽に相談できる場所としておすすめなのが、「暮らしの保健室」。全国的にそれほど数は多くありませんが、看護師などの専門職が常駐し、無料で健康や介護など困りごとの相談に乗ってくれます。おひとり様の高齢者には頼もしい地域の居場所なので、ご近所にあればぜひ活用を。 これらは情報収集に役立つだけでなく、今から馴染みの場所にしておくことで、地域の人との関係性もでき、いざ気になる症状が出たときに異変に気づいてもらえる可能性があります。また、専門職にすぐ相談できる環境を持つことは、しかるべき医療や福祉を受ける準備にもつながるのです。
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