【おひとり様老後の3大不安を解消!・認知症】地域の介護支援サービスを早めにチェック。かかりつけ医で早期発見、症状が進む前にケアマネとの繋がりを
◆自分が希望するケアを受ける準備 認知症になっても自宅で長く暮らすには、早期発見・早期治療が大切です。理解力や判断力がまだある段階で発見できれば、診断の内容を本人がしっかりと受け止め、進行を予想しながら、これからの生活について考えることができます。 そのために、日頃から自分の体の状態を診てくれるかかりつけ医を持ちましょう。私の母はC型肝炎で定期的に自宅近くの病院に通院していたのですが、「最近予約をよく忘れるから」とかかりつけ医が認知症の簡易テストをしてくれました。 点数が悪かったため紹介された専門病院で詳しく検査したところ、アルツハイマー型認知症だとわかったのです。もちろん自分から、「最近もの忘れが激しいので検査してほしい」と相談してみるのもいいでしょう。 要介護認定の取得・更新に必要な「医師の意見書」も、ふだんの様子を知らない医師より、変化を正確に把握してくれているかかりつけ医に書いてもらったほうが安心です。 かかりつけ医をこれから探す場合は、(1) 遠くの病院よりも近所の診療所、(2) 医師がわかりやすい言葉で説明してくれる、新しい医療を勉強している、(3) 話しやすくて相性がいい、などのポイントを押さえましょう。
認知症と診断されたら、まずは地域包括支援センターに相談し、地域の「居場所」を紹介してもらうとともに、要介護認定を受けてください。申請は本人以外に、家族・親族や友人など本人の状態がわかる人、あるいは地域包括支援センターの職員などが代行することも可能です。 要支援・要介護と認定されると、介護保険サービスを受けられるようになります(基本は65歳以上)。早期の認知症で要支援1など軽度の認定を受けた場合、「まだ生活に不自由はないから」と、サービスの利用を先送りする人もいるかもしれません。 でも、私はなるべく早く開始することをおすすめしています。近隣の介護事業者やケアマネジャーなどとつながっておけば、症状が進んだときも適切な対応が期待できるからです。 認定後は、ケアマネジャーと一緒にケアプランを作成します。おひとり様の場合、認知症になる前に、進行段階によって自分が受けたいケアを考えてメモしておくこと。 たとえば、在宅医療・介護の内容や医療処置の選択、進行度合いによる施設入居の希望――など。そのうえで、介護のキーパーソンを事前に決め、自分の意思を託しておくといいでしょう。 キーパーソンは、頼れる家族がいない場合、親類縁者や友人・知人が引き受けますが、福祉関係者や成年後見人がなることもあります。 そして、認知症になってもひとり暮らしを続けるために、キーパーソン、ケアマネジャー、信頼できる医師、看護師、薬剤師、ヘルパー、地域の人などがうまく連携を図れる在宅ケアチームを作りましょう。つまり、常に見守りのある環境が何より重要なのです。
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