シャッター商店街を福祉施設に!? 子どもも高齢者も障がい者も、家族のように過ごす”街の家”「春日台センターセンター」神奈川県愛川町
午後3時ごろになると次々と訪れる小学生。学校帰りなのでしょう。そこにセンター長の平本裕子さんが声をかけます。時には注意や指摘をすることも。その言葉に子どもたちは素直に耳を傾けます。 「気付いたことに全員で声かけをするのが春日台センターセンターのやり方。そうすることによって人と人がふれあう心のケアにもなっているんです」と平本さん。
一方で交わることなく、自分のペースで過ごす人もいる。ベンチで一人黙々と日向ぼっこをする人もいれば、多目的スペースで読書をする人も。 あるがまま過ごすことができる、それが春日台センターセンターなのです。
「ここ春日台の商店街でも、子どもと高齢者の交流は自然と生まれています。センターセンターが開設したことで、息を吹き返したかのようです。 私たちが施設や商店街で歩いたり仕事をしていると、自転車で毎日くる近所のおじいちゃんが話しかけてくれたり、放課後の子どもたちが遊びに来て今日あったできごとを話してくれる。 彼らにとって私たちはきっと施設の職員ではなく、ここで話ができる友達のような相手なのでしょうね。他の施設とは異なり、正解がないこの空間が私は好きです」と平本さんは話してくれました。 とかくにぎわいといえば商店のイメージが強く、人口や時代の活況時にはその中心機能として商店街やショッピングセンターが精彩を放っていましたが、にぎわいや集いを生み出すのはそれだけではないのだと気づかされます。馬場さんと平本さんの話を聞いた時にふと思い浮かんだのは「インクルージョン」という言葉でした。日本語に訳すと「包括」「包含」。でもそれは現代の共生社会が人が過度に庇う、守ることになりがちなのとは異なり、ここには本当の意味でのインクルージョンが織りなされていると感じます。開くからこそ気づき、手を取り合い慮ることができるのではないのか。街の拠点づくりのヒントがここから見えました。 ●取材協力 ・春日台センターセンター ・春日台商店街 ・社会福祉法人愛川舜寿会
永見薫
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