VCARB来季シートを争うリカルドvsローソンの状況を『F1』公式の識者が分析…レッドブルと入れ替わりなら優先度は角田裕毅よりも2人が上?|F1
2024年のF1は第14戦を終え、サマーブレイク期間に突入している。そんな中、来季のシート争いという点では、例年以上に早々に契約が決まる状況となっている。現状、まだ2025年が未定となっているのはメルセデス、VCARB、アルピーヌ、キックザウバー(アウディ)の4シートだけだ。 すでに角田裕毅はVCARBとの契約を2025年まで延長している。一方で、来季の“僚友は誰になるのか”という話題は大きな関心事だ。『F1』公式のプレゼンターを務める識者、ローレンス・バレット氏はVCARBのシート動向について「2025年、RBのセカンドシートは(リアム)ローソンvs(ダニエル)リカルドの戦いになる。両者を満足させる方法はあるのだろうか?」というテーマを取り上げ、同チームの現状について客観的に考察している。『F1』公式がその内容を伝えた。 「2025年のF1グリッドは、まだ4つのシートが空いている。最も興味深いのはレッドブルの姉妹チームであるVCARBで、イタリアのチームは角田裕毅のチームメイトとして、経験豊富なリカルドと、若く才能豊かなローソンのどちらかを選ぶことになる」 「VCARBには大きな2つの選択肢がある。一方で、もし最終決定が下されたときにはリカルドがF1キャリアを終えることになるかもしれないし、ローソンが引き続きリザーブとして耐える時間が継続となるかもしれない。いずれにしろ、どちらかが不満を抱くことは不可避となっている」 そして記事では「3つのシナリオが考えられるが、リカルドとローソンのどちらも満足する結末もある」として、バレット氏は起こり得るパターンを3つ挙げた。
オプション1:リカルド残留
「リカルドがVCARBでレースに勝てるほどのペースをまだ持っているのか。それを示すことができれば、ワークスチームに昇格させる前提だったはず。レッドブルはそのためにリカルドをファミリーとして再起用した」 「リカルドは2024年序盤、チームメイトの角田が5回のポイント獲得(7位2回を含む)を果たした一方で、最初の8戦で1回もポイントを獲得できなかった。当然、大きなプレッシャーにさらされることに。好調さをキープしたことで日本人レーサーは来年の契約延長に至り、リカルドはローソンともう1つのシートを巡って争うことになっている」 「だが直近6戦(第9戦~第14戦)はリカルドが調子を上げ、角田に対し圧倒的な負けだった状態から、徐々に勢いを取り戻している。この間、予選の直接対決ではチームメイトと3-3で並んでいるが、レースでは4-2でリードしている。そして重要なのは、このオーストラリア人選手が直近6レース中3戦でポイントを手にし、前向きな勢いと軽快な足取りでサマーブレイクに入ったということだ」 バレット氏は「リカルドはこのまま調子を落とさなければ、このシーズンを最後まで戦うだろう。そして、2025年のシートを維持する可能性も十分にある」と、リカルドの調子が上向きになっていることはポジティブな要素だと記した。「もちろん、そのためにはマシンの性能を最大限に引き出し、ポイントを可能な限り獲得し続ける必要がある」と、VCARBで最大限の成果を出すことが大前提だとも強調している。