VCARB来季シートを争うリカルドvsローソンの状況を『F1』公式の識者が分析…レッドブルと入れ替わりなら優先度は角田裕毅よりも2人が上?|F1
オプション2:ローソンを昇格させる
リカルドに見切りをつけ、ローソンをレギュラードライバーに昇格させることも一つのシナリオとして取り上げている。昨年のオランダGPでは、土曜日から急遽アルファタウリのAT04を駆ることになり、そこから5戦にわたって戦ったローソン。有望な生え抜きを抱えていながら、出場機会を与えられていないジレンマがVCARBにとっては痛し痒しな状況となっている。 「ローソンは2023年の後半戦、負傷したリカルドの代役として、スーパーサブの役割を果たした。シンガポールGPで9位に入ってポイントを獲得したことが最大のハイライト。感銘を受けたレッドブルは2025年にローソンがシートを獲得する可能性が高いとほのめかした」 「しかし、2024年に入ってから角田が結果を残し、この日本人が2025年までの新たな契約を勝ち取った。リカルドの調子も上向きになっていることから、来季ローソンをRBシートの1人に入れることは、簡単な決断ではなくなった。レッドブルは9月までにローソンに2025年シーズンのチームのひとつのシートを与えなければならないだろう。さもなくば彼は他のチームに移籍することになる」 「当然ながら、レッドブルはローソンを失いたくはない。何年も彼を支援して、彼の成果に感銘を受けてきたからだ。実際にレッドブルファミリーの中には、彼の支持者が多くいる。チームの将来にとって大きな存在となる可能性があるだろう」 だが来季のシート動向がある程度定まっており、ローソン争奪戦になっていないこともRB幹部としては判断材料になっているという。 「他のチームでのシートは明確に空いているわけではなく、チャンスが限られている。メルセデスはアンドレア・キミ・アントネッリが有力だろうし、アルピーヌにはドライバーアカデミーのジャック・ドゥーハンが控えている。ザウバー(アウディ)は経験豊富な人材を求めているため、レッドブルグループにとってローソンを失うリスクは低い。そのため、彼を早々に昇格させなければいけない、というプレッシャーは軽減されている」 「夏休み後、最初の数レースでリカルドがどう活躍するかによって、ローソンの未来は大きく左右されるだろう。もしリカルドの調子が落ちるようなことがあれば、来シーズンからローソンがその代案を務めることになる」