グラベルにハマってしまったランス・ストロール（アストンマーティン）

　アストンマーティンのランス・ストロールは、F1サンパウロGPの決勝レーススタート前、フォーメーションラップ中にコースオフを喫し、スタートに臨むことができなかった。 【ドライバーズランキング】角田裕毅とガスリーに抜かれ、ストロールは13番手に降格 　ストロールはこれについて、ブレーキにトラブルがあったはずだと説明した。 　雨に見舞われたサンパウロGPの決勝。ストロールはスタートに向けてフォーメーションラップを走っていたが、ターン4に差し掛かったところで突然リヤのコントロールを失いスピン。ノーズ先端をウォールに擦り付けながらコースオフした。 　その後ストロールはコースに戻ろうとしたところ、あろうことかグラベルトラップの上をショートカットすることを選択……結局そのグラベルにハマってしまいストップ。スタート前にリタイアすることとなり、決勝レースのスタートが延期されることになった。 「とても奇妙だった。ブレーキに触れた瞬間にリヤが激しくロックし、そこからは何もできなかった。こんなの、初めてだ」 　ストロールはレース後にそう語った。 「ブレーキにトラブルがあったのかもしれない。調べる必要がある」 「今回のようなレースでは、何が起きてもおかしくはない。スタートする前にリタイアするのは本当に残念だけど、何が起きたのか調査する必要があるだろうね」 　ブレーキに問題があったことは、チームメイトのフェルナンド・アロンソも示唆していた。 「レースは予選よりもマシンのパフォーマンスが落ちたと思う」 「（予選での）クラッシュ後にいくつかのコンポーネントを交換したが、確かに前と同じではなかった。ブレーキにも問題があった」 「リスタートの時にもブレーキの問題がいくつかあった。全体的に厳しい週末だったと思う」 　確かにブレーキトラブルにより、コースオフしてしまったのは仕方のないことだったのかもしれない。しかし不可解なのは、ストロールがグラベルにハマってしまったことだ。 　ストロールがコースオフし、マシンが最初に停車したところは、アスファルトで舗装されていた。そのままターン4に向かって進めば、問題なくコースに復帰することができたはずである。しかしストロールは、途中でハマって動けなくなる可能性が高いことは明らかだったにもかかわらず、グラベルに突っ込むことを”選択”したわけだ。本人は「グラベルにハマってしまった」とだけ語った。 　しかしチーム代表のマイク・クラックは、ストロールの動きを「予想外」と語った。 「フォーメーションラップでは、ランスのマシンにブレーキング中に問題が発生したようだ。それでもなんとか走り始めたが、AMR24は深いグラベルに入ってしまい、彼の1日は早々に終わってしまった」 「何が起きたのかを徹底的に調査する必要があるが、予想外のことだった」