本土最大の米空軍基地は東京に。衆院選東京25区福生市の争点は?
「こんな時期に選挙を行って大丈夫なのか」と衣料品店の男性店長(39)は顔をしかめた。北朝鮮に対し、自民党は圧力を優先する方針を示す一方、立憲民主党や共産党は対話路線を訴える。店長は「対話が通用する国なら、そもそもここまでの事態に陥っていないのでは」と対話路線に懐疑的。「1回ミサイルが落ちないと、この国の平和ボケした人は目が覚めないんじゃないか」とつぶやくように言った。 「できれば平和的に解決してほしい」と語るのは、別の衣料品店の店員(26)。北朝鮮は、日本にある米軍基地も核攻撃の対象とする姿勢を示しており、横田基地も当然含まれるだろう。店員は、「やはりミサイルは怖い。怖くない人はいないでしょう」と正直に話す。「ここにいても、隣町の自宅にいても変わらない。ミサイルがきたらどうしようもない」
福生アメリカンハウス
国道16号を歩いていると、ある店舗の駐車場奥に「福生アメリカンハウス」という縦型の看板を見つけた。 アメリカンハウス、別名「米軍ハウス」は、基地の外に建てられた米軍向けの賃貸住宅。朝鮮戦争で基地人口が増加したため、米軍が地元に要請して盛んに作られた経緯がある。今日、米軍関係者は基地の内部に建てられた住宅で暮らし、米軍ハウスは老朽化もあってか今では少なくなった。 福生アメリカンハウスは、残った米軍ハウスを活用して建設当時の生活を再現、展示している。無料で内覧可能、ということなので入ってみた。
敷地の中には、青々とした芝生と、薄いブルーの壁に囲まれた平家の一軒家がある。家の横の入口に、ハロウィン風の衣装をきた女性がいた。商店街の知り合いから頼まれてハウスの運営を手伝っているという雫未佳(みか)さん(45)だ。 福生市内で、ギター教室を運営する音楽家の夫と小学5年生の息子の3人で暮らすという雫さんは、福生市生まれ。「基地があるのが当たり前、というなかで育ちましたので、基地がなくなるとどうなるか想像できません」。夫のギター教室には、在日米軍の関係者も受講。個人的に仲の良い人もおり、きちんとした人が多いとも感じている。