老後にがっかりしない、リタイアのちょうどいいタイミングとは?
リタイアが話題に上ると、大半の人は2つの数字に目を向けます。老後のための貯蓄額(ならびに、社会保障制度から受け取れる見込み額)と、自分の年齢です。 この2つの数字があれば、自分がリタイアできる大まかな時期がわかります。そして通常は、引退年齢に近づいてくると(大半の人はもっとも早くて62歳)、具体的な年を絞り込めるようになります。 それを見きわめるうえで役立つ、おおまかな検討材料をいくつかご紹介します。
金銭面で考慮すべきこと
リタイアを考えるときは、まずはお金の問題を検討するものです。 金銭的にもっとも適している「月」は、人によって違います。しかし、自分にとってベストな月を見きわめるためには、自問自答すべき質問がいくつかあります。 いまの仕事では、ボーナスが支給されますか? リタイアする年の年収を一定額以下に抑えようとしている場合は別ですが(詳しくは、のちほど説明します)、ボーナスが支給されるまで待つのは、非常に理にかなっています。 多額のボーナスが支給される前の月に引退するのは合理的ではありません。そのほかにも税金や社会保険なども考慮しながら辞めるのがいいでしょう。
心理面で考慮すべきこと
1年のなかでもっとも適したタイミングは、自分がいちばん幸せになれるときかもしれません。 冬になると、季節性感情障害(SAD)を発症する人が多いので)、寒い季節が始まったタイミングで仕事を辞めると、引退直後の日々を惨めな気分で過ごすことになってしまう可能性があります。 一方、夏の暑さがはじまるころにリタイアすれば、バカンスモードに切り替わるため、心理的な高揚感を得られて、直後の数カ月間を、うきうきした楽しい気分で過ごせるかもしれません。 もちろん、冬が好きで、スキーなどのウィンタースポーツを楽しむタイプなら、冬の前にリタイアするのが賢明でしょう。結局、タイミングは人それぞれです。
辞めるベストなタイミング
天気だけでなく、人生の大きな出来事もまた、タイミングを決める目安になります。久しぶりの家族の集まりや、遠くのリゾートで行われる結婚式など、楽しみにしている行事はありませんか。 そうした行事の直前にリタイアすれば、職場に戻ることなどを心配せず、思い切り楽しめるので、解放的で自由を手にした気分を味わえます。その先1年間の私的な予定を把握しておけば、その日を迎える理想的な月を絞り込みやすくなるでしょう。 リタイアは、それまで汗水流して働いてきた報酬をようやく手にする、喜ばしい瞬間であるべきです。しかし、それがご褒美のように感じられるためには、タイミングが肝心です。 最適な月を選んで引退すれば、お金であれ経験であれ、損をした気分にならずに済むでしょう。
遠藤康子(ガリレオ)