赤ちゃんの「思いやりの心」を育てるための話し方と目の合わせ方
思いやりのある子に育ってほしい、明るく元気に成長してほしい――。「将来どんな子どもになってほしいか?」と訊かれ、そんな思いを抱く大人は多いもの。では、具体的にどうしたら思いやりの心を育むことができるのでしょうか? 【グラフ】日本人の「子育て能力」はどんどん低下 YouTubeで日本各地の中学生・高校生に「赤ちゃん学」の授業を配信している元・教師の著者が、健やかな心を育むためのコミュニケーションスキルを分かりやすく解説します。 ※本稿は、水野正司(著)・間宮彩智(イラスト)『未来のために知っておきたい みんなの子育てスキル』(マイクロマガジン社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
赤ちゃんをだっこしているつもりで「お花、咲いてるねえ」をどう言いますか?
【お題】 赤ちゃんと散歩しているつもりになって、言葉をかけてみてください。※赤ちゃんをだっこしているつもりで! 〔採点基準〕(1)10点(2)30点(3)30点(4)30点 赤ちゃんと散歩しているつもりになって、だっこしている赤ちゃんに言葉をかける――という問題です。 セリフは決まっています。 「お花、咲いてるねえ」 言うのは、これだけです。 読者の皆さんは、このセリフを言えますか? 「お花、咲いてるねえ」 採点基準があるということは、「正しい言い方」があるということです。 昭和の前半に生まれた方々なら、基準など意識せずに100点がとれるはずです。しかし、平成生まれですと、「え?どうしよう!」と困ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大好きな人がそばに来てくれるから
常葉大学の柴田俊一教授の研究によると、日本人の「子育て能力」はどんどん低下していることがわかっています。昭和の後半から3世代同居が減り始め、子育ての仕方を《見て知っている大人》が激減したのです。 昭和初期では、「赤ちゃんの育て方」というのは知らず知らずのうちに《見て知っている》というのが普通でした。 その頃の「子育て能力」を100とした時、第二次世界大戦後に80となり、それが60になり――と「子育て能力」が低下し、今では「40以下」にまで下がっている、というのが柴田教授の指摘です。 「お花、咲いてるねえ」というセリフを言うだけで、子育てスキルを判定することができます。 採点ポイントは4つです。