ミシュランが選ぶ108軒のホテル&旅館「ミシュランキー」日本版!3つ星、2つ星は?ディレクターに聞く評価法
2022年末から始まった「ミシュランガイドホテルセレクション」。すでに日本を含む多数の魅力的なホテル・宿泊施設が名を連ねています。そして今年から、特におすすめの宿泊施設に光をあててその評価結果を発表する「ミシュランキー」がスタートしました。アジア初の展開となった日本版にリストアップされたのは、どんなホテル・宿でしょうか。来日中のインターナショナル・ディレクター、グウェンダル・プレネックさんに見どころを聞きました。
なぜいま「ミシュランキー」がスタートするのか?
■ずっと旅目線で編集されてきたミシュランガイド いまや、さほどの美食家でなくてもその名を知っている「ミシュランガイド」ですが、実は非常に長い歴史と多彩な側面を持っています。美食家にとって、「ミシュラン」の名はガストロノミーの象徴ですが、車好きにとってはフランスの老舗タイヤメーカーとしての存在のほうが大きいはず。そして、このふたつの顔が、今年から始まったホテル・旅館のガイド「ミシュランキー」につながっているといえます。 話は、1900年に本国フランスで「ミシュランガイド」がスタートした時に遡ります。1900年といえばパリ万博が開催された年。『婦人画報』が創刊される5年前のことです。当時は自動車旅行がいよいよ一般的になっていく、まさに黎明期にありました。自動車で旅をすることが“冒険”だった時代、少しでもその時間や経験が快適で楽しくなるようにと自動車タイヤメーカーのミシュラン社が発行した無料のガイドブックがことの始まり。地図や自動車修理工場の情報、そして旅先の宿情報が掲載されていたといいます。そう、始まりの時からレストランだけでなくホテル、さらにはホテル内のレストラン情報も紹介するガイドブックだったのです。 その後、ヨーロッパの他国版を続々と刊行し、1926年からレストランの評価に星を用いるようになったことから一気に飲食店ガイドとしての知名度が高まり、1933年からは現在の骨格となった匿名調査員による制度がスタート。最上級より、3ツ星、2ツ星、1ツ星を授けるというレストランの評価があまりにも支持されるようになったせいで、次第にホテル情報は目立たなくなっていきました。しかし、そもそもタイヤメーカーが威信をかけて刊行するガイドブックゆえに、宿泊に関する視点はずっと持ち続けており、ようやく満を持してのホテルセレクションが始まり、次いで「ミシュランキー」が誕生することとなりました。 <写真>記念すべき第1回目の発表会は白金台「八芳園」で開催。レストラン版「ミシュランガイド東京」の発表会とは雰囲気が異なり、初回だからか意外に小規模のセレモニー。しかし多くの報道陣や旅行業界関係者が会場に詰めかけた。