ミシュランが選ぶ108軒のホテル&旅館「ミシュランキー」日本版!3つ星、2つ星は?ディレクターに聞く評価法
3ミシュランキー(最上級の滞在)獲得の宿泊施設6軒
強羅花壇(神奈川) ホテル ザ ミツイ キョウト(京都) ブルガリ ホテル 東京(東京) フォーシーズンズホテル東京大手町(東京) パレスホテル東京(東京) アマネム(三重)
どんな審査員がどんなふうに審査している?
日本には現在、約5万軒強のホテル・旅館が存在するといわれています(厚生労働省が2023年初頭に発表した2022年度末のデータより)。ミシュランの匿名調査員は、その数は明かされていないもののエリア別に在籍してはおらず、世界中すべてを審査対象地域とするワンチームで構成されているそう。「必ずそこを訪れ、有償で実際に利用する」というのはレストラン審査と同様で、今回の発表に関しても調査員は5年前から審査をスタートさせていたというから驚きです。 しかしそれでも、5万軒の実地調査は無理な話。「ミシュランキー」では、まずは評価対象圏内にあると認定した「セレクテッドホテル」を2022年末よりサイト内で公開し始めました。当初200軒に満たなかった宿泊施設数は、今回の発表時にはキー獲得のホテル108軒を含めて全243軒(2024年7月1日現在)。そして、今後も続々と増えていくといいます。 前出のプレネックさんは語ります。 「レストラン部門でもはっきりとした審査基準がありますが、これはミシュランキーでも同様です。5つのクオリティーを基準に設けました」 曰く、 1. ホテル自体が旅の目的地であり、その土地ならではの体験ができる 2. 素晴らしい建築とインテリアデザイン 3. サービスの質、快適性、メンテナンスが行き届いている 4. 価格に見合った体験ができる 5. 施設の個性やユニークな特徴を反映した独自性がある という5項目ですが、フランス本国での厳しいトレーニングを終えた匿名調査員は世界中のセレクテッドホテル・宿に出向き、通常のゲストとまったく同じように宿泊するとのこと。その前後に近隣のレストランの調査をすることもあれば、ホテルをより広い視野で眺めるために「大規模なパーティーを開催するので視察させてほしい」と依頼して調査にあたることもあるのだそう。1年のうち多くの時間を食事と宿泊の審査に充てるといいますから、外食や旅が相当好きな人でもなかなかハードなミッションです。 「でも興味があるし、やってみたい」と思われる方もいるかもしれません。ホテルやレストランなどのホスピタリティー産業での従事経験があって、英語や多国語が堪能な人ならその可能性はなきにしもあらずですが、いかんせんどこでいつ募集が出ているのかは謎。もしかしたら有名な元ソムリエや元シェフ、元ホテリエが調査員を務めているかもしれません。 <写真>右から、「ミシュランガイド・RPWA事業部」執行役員の三輪唆矢佳(みわさやか)さん、グウェンダル・プレネックさん、大きな仕事を終えてホッとリラックスした表情のミシュランマン。