<高校野球速報>横浜・渡辺監督、最後の夏終わる!
高校野球の神奈川大会決勝が28日、横浜スタジアムで行われ、東海大相模が横浜を9-0で下し2年連続10度目の甲子園出場を決めた。大量点をもらった今秋のドラフト1位候補、左腕の小笠原慎之介は、最速150キロをマークする、7安打完封ピッチング。この夏を限りに勇退する横浜の渡辺元智監督は(70)は、その花道を甲子園出場で飾ることができなかった。
186校の頂点を決める激戦区神奈川の決勝戦。その舞台である横浜スタジアムが人で埋まる。試合開始数時間も前から長蛇の列。小笠原、吉田凌という2人のドラフト1位候補を擁する東海大相模と、名将、渡辺監督の“ラストサマー”に一致団結、ノーシードから決勝までかけ上がってきた横浜という神奈川屈指のライバルカード。大入り満員も当然か。 序盤は、横浜・石川、東海大相模・小笠原の両左腕の息詰まる投手戦となったが、東海大相模が先に均衡をやぶった。4回、この回先頭の1番・千野が、石川の山なりの超スローカーブをためてレフトへと弾き返した。ポーンと弾んだ打球の処理をレフトの村田が誤って二塁打となった。これを宮地が、三塁前への理想的なバントで送り一死三塁。続く3番・杉崎が、人工芝に思い切り叩きつけた打球は、大きくバウンドして前進守備をとっていたファーストの頭の上を越えていく貴重な先制タイムリーとなった。 さらに攻勢は続く。「打倒・横浜という気持ちでここまできた」と、燃える豊田が、三塁内野安打。一死一、二塁として、磯網のライトフライで二死一、三塁となったが、キャプテンの長倉が甘い変化球をライト前へ。突っ込んできたライトが後逸してしまったこともあって2人が生還。3点がスコアボードに刻まれた。 横浜の渡辺監督は、「(甲子園という)欲を持たないこと。初心というか、原点に帰ってのゲームを心がけたい」と、決勝戦にむけての心構えを説いていた。それでも、この日、最速150キロをマークしているドラフト1位候補、小笠原の攻略は簡単ではなかった。執拗なバントの構えや、変化球ではスタンスの位置を変えるなどの工夫で必死に揺さぶりをかけるが、5回までわずか1安打。決勝戦まで、18イニングで自責点ゼロのサウスポーが横浜の前に立ちふさがる。 6回二死から横浜が反撃。戸堀がレフト前ヒットで出塁。盗塁を仕掛けて二死二塁として、三河が四球。公家のショート左を襲った打球は、杉崎のファインプレーで抜けなかったが、内野安打で満塁とチャンスを広げた。だが、5番・石川は、カウント2-2から外のチェンジアップにスイングアウト。絶好の反撃機を逃す。